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講義No.09522

音楽で心の扉を開く「音楽療法」

即興的に音楽を創る音楽療法

 音楽を聴くと心が動かされたり、癒やされたりすることがあります。音楽を使って治療をする音楽療法には、音楽を聴いて治療する方法と、治療を受ける人が音楽を奏でる方法があります。音楽を奏でるのに使うのは、たたけば鳴る太鼓や振れば鳴る鈴など、簡単に演奏できる楽器で、楽譜を使わずに自由に鳴らしてもらいます。訓練されたセラピストがそれに合わせて、即興的にピアノなどを演奏します。それによって、いかにも曲らしい、形式にのっとった音楽を創り出していくのです。障がいのある人や高齢者にとっては、この活動が自己表現につながるほか、言葉が不自由な人とのコミュニケーションのツールにもなります。

音楽療法は突破口のひとつ

 それまでコミュニケーションの方法も見いだせず、どうしたらよいかわからない人に、音楽で心の扉を開いてあげられることもあります。また音楽療法により、言語的・身体的な機能が回復し、生活面に良い影響を及ぼすこともあります。何回かセッションを重ねていくにしたがって、少し難しいリズムを試したり、楽器を替えたり、ハーモニーをつけたりして、音楽のレベルや表現の幅を広げていきます。人間は誰でも、「もう少し難しいことをやりたい」、「もう少しうまくなりたい」という欲求を持っています。その欲求に応えるのも音楽療法の仕事です。

音楽は誰にでもできる自己表現

 保育や教育の場では、既存の曲をミスなく上手に演奏することが良い音楽だという認識が一般的です。それを逸脱すると、音楽が不得意だと評価され、音楽に向き合う時、萎縮するようになってしまいます。しかし、本来音楽とは誰でも常に簡単にアクセスできるもので、自己表現の有効な手段のひとつです。歌えと言われて歌わされるのではなく、歌いたいから歌うのです。そのうちに、もっと上手に歌いたいと思い始めます。そういう自然な欲求をうまくすくい上げることが必要です。保育者や教育者だけでなく、音楽を扱うすべての人が、こういった音楽療法の考え方を知っていることが重要なのです。

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この学問が向いているかも 音楽教育学

帝京大学
教育学部 初等教育学科 初等教育コース 准教授
田﨑 教子 先生

メッセージ

 音楽は演奏したり聴いたりして楽しむだけでなく、生活を円滑に行う上でも有効にはたらきます。音楽にはさまざまな機能があり、それを治療に用いるのが「音楽療法」です。
 私は、音楽療法における音楽の使い方が保育や教育の場でも有効ではないかという視点で研究をしており、大学のゼミでは、幼稚園や小学校の子どもたちを対象に、参加型の演奏会を企画・実施しています。
 あなたもこのような活動に興味があるなら、帝京大学で一緒に学びませんか。

先生の学問へのきっかけ

 あなたは音楽療法という言葉を聞いたことがありますか? 私は高校時代、「何かのプロフェッショナルになりたい」との思いから、自分が一番得意だったピアノを選び音楽大学を受験しました。音大のピアノ科で勉強していた時、「音楽の魔力」という1冊の本に出合います。音楽の持つ不思議な力について書かれたその本に衝撃を受け、そこに書いてあった音楽療法を学ぶために大学院では音楽教育の研究室に入りました。音楽療法は、障がいのある人や高齢者だけではなく、保育や教育の現場でも利用できるとても大切な考え方に基づくものです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

保育士/幼稚園教諭/小学校教諭/社会福祉施設職員

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田﨑 教子 先生がいらっしゃる
帝京大学に関心を持ったら

 医療系・文系・理系と幅広い分野の10学部32学科を擁する総合大学です。文系学部を中心とした八王子キャンパスでは、約15,000人の学生が学んでいます。東京多摩丘陵の自然豊かな景観に位置し、キャンパスリニューアルにより新校舎棟「SORATIO SQUARE(ソラティオスクエア)」が2015年9月完成。
 2017年11月には2期エリアが完成し、「帝京大学総合博物館」をはじめとした、施設・設備が整備され、教育指針である「実学」「国際性」「開放性」を柱に、自ら未来を切り拓く人材を育成しています。

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