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講義No.09518

磁気で人体を撮影する~MRIの不思議~

水素を共鳴させて画像を作る

 医療現場の検査機器にMRI(磁気共鳴画像診断装置)があります。MRIは強力な磁気と電波の力を利用して、体のさまざまな断面や血管を撮影できます。磁気の力で体を輪切りにした写真が撮れるのはなぜでしょう? 「共鳴」とは、例えば同じ周波数の音叉(おんさ)を2つ置き、片方をたたいて音を出すと、振動エネルギーがもう片方の音叉に伝わり、次第にもう片方も鳴り始めるという現象です。同じように、体の中の水素も、一致するMRIが発する高周波数の電磁波に共鳴し、運動を始めます。MRIではこの磁気共鳴現象を電気信号としてとらえることで、体内の画像が作り出されます。人間の体の60%は水でできており、体内には豊富な水素が存在しています。それを利用して画像を作ることができるのです。

MRIで病気を診る

 CT(コンピュータ断層撮影装置)という機器も同じように体の断面を撮影できますが、MRIでは放射線を使用しません。MRIとCTはそれぞれ得意、不得意なところがあります。MRIでは体内のさまざまな情報を取得することができるので、異なる情報を持った複数の画像を撮像することができます。MRIが有用な疾患の1つに早期の脳梗塞があります。脳梗塞は血管が詰まり、脳細胞の一部が死んでしまう病気です。脳梗塞では、ダメージを受けた部分の細胞周囲の水分子の動き(拡散)が制限されてしまうのですが、MRIではこの水分子の「拡散」も画像で判断することができます。

さらに進歩するMRI

 MRIは近年急速に普及し始め、今では小規模な病院にも設置されています。技術の発展により画像の鮮明さが増し、高速撮影もできるようになりました。患者さんは狭い機器の中に入るので、圧迫感を和らげるために海や空の映像を目の前に映し出す機器も登場しています。これを操作する診療放射線技師は、機器の原理や構造を理解し、優れた画像を得るために、最新の知識を得る努力が必要になります。

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この学問が向いているかも 放射線技術科学

帝京大学
医療技術学部 診療放射線学科 講師
林 達也 先生

メッセージ

 診療放射線技師の仕事は、レントゲンとして思い浮かべる一般撮影と呼ばれるもののほかに、CT、MRI、核医学や放射線治療まで多岐にわたっています。必要な機器を使いこなすには、医学的な知識だけでなく、工学的な知識も必要となります。
 放射線技術科学は理工学と生命科学が融合した分野です。どちらの分野に興味がある人も満足できるでしょう。この分野は新しい技術がどんどん誕生するので飽きることがありません。興味がある人はぜひ診療放射線技師をめざしてください。

先生の学問へのきっかけ

 高校生のとき、医学系の仕事に興味を持って調べていたところ、診療放射線技師という仕事を見つけました。当時は胸部の撮影をする人というイメージしかありませんでしたが、詳しく調べると、いろいろな機器を使い、治療をすることもあるということがわかりました。そこで大学のカリキュラムを見ると、画像解剖学、放射性医薬品学、画像工学などと書かれていて、いろいろやれて面白そうだと思ったことから診療放射線技師を志しました。その中でも、放射線を使わずに磁場で画像を撮るMRIの技術に着目し、教育と研究を行っています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

病院(大学病院、国公立病院、民間総合病院、クリニック)/保健所/医療機器メーカー

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林 達也 先生がいらっしゃる
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 医療系・文系・理系と幅広い分野の10学部32学科を擁する総合大学です。医学部・薬学部・医療技術学部を擁する板橋キャンパスの最大の特長は、医学部附属病院が隣接している点。学生は救命救急センターやERなど最先端の医療を、実習を通し体感できる場ともなっています。都心へのアクセスも良好であり、キャンパス最寄りの十条駅から池袋駅へ7分程度で行けますので、ショッピングなども気軽に楽しめます。

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