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講義No.09516

細胞の「顔つき」を見て病気を探せ!

正常な細胞には正しい「顔つき」がある

 病気の疑いがある時や健康診断などで、体の細胞の一部を採取して異常がないかを顕微鏡で調べる「細胞診検査」というものがあります。検査では標本上にあるすべての細胞の形をチェックします。正常な細胞の「顔つき」と少しでも違うものを探し出すのです。例えば、細胞の核が大きい、クロマチンという部分が増えている、核小体が目立つ、などの変化があると細胞の顔つきが変わります。
 しかし、個々の細胞の正常な顔つきを知らないと異常を見つけ出すことはできません。細胞診検査をするためには、たくさんの正常な顔つきを覚えることが重要です。

「前がん病変」を見つけてがんを防ぐ

 ほんの少しの顔つきの違いを見分けることで、病気の発見だけでなく、病気を防ぐこともできます。細胞の核が少しだけ大きかったり、核のまわりに抜けができたりする特徴を持ち始めた細胞があっても、それらは元の正常な状態に戻る可能性があります。それらを「前がん病変」といいます。若い女性に発症が多い子宮頸(けい)がんや、呼吸器の肺門部(肺の入り口の気管支)にできる肺がんは、前がん病変を見つけることで治すことが可能です。
 技術の発達により、女性の乳腺や甲状腺などは細い針で細胞の採取が行われています。また、組織の採取が難しかった膵臓(すいぞう)も、膵管(すいかん)にブラシを通し、こすって細胞を採取できるようになるなど、細胞診検査の範囲は広がっています。

細胞診検査には人間の目が必要

 細胞診検査は、臨床検査技師という国家資格を持つ人の中で、さらに細胞検査士の資格を得た人が行います。異常が見つかった時は病理医が最終チェックを行いますが、何も見つからない陰性の場合は細胞検査士のサインだけで臨床に結果を返します。ここで見落としてしまうと患者の命に関わるので、とても責任の重い仕事です。
 医療技術は急激に進歩していますが、細胞診検査にはまだ人間の目が欠かせません。これからの高齢化が進む社会では、より多くの細胞検査士が必要となってくるでしょう。

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核と細胞質から読み取れるものとは?

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正常な上皮細胞と癌細胞を見比べてみよう

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正常細胞が癌化するまで~HPVを用いて~

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この学問が向いているかも 組織細胞学、臨床細胞学

帝京大学
医療技術学部 臨床検査学科 講師
島田 智子 先生

先生の著書
メッセージ

 私の専門は「組織細胞学」と「臨床細胞学」です。大学の授業では、病院の病理検査室で行われている検査に関する講義と実習を担当しています。臨床検査技師には幅広い知識が求められます。人体の構造や機能について、免疫学、血液学、微生物学、遺伝子検査学、臨床細胞学、生理学、病理学などをさまざまな角度から学ばなければなりません。
 臨床検査学のなかでも、形態学的分野は、顕微鏡を使い細胞の形や「顔つき」の違いを見て検査します。顔つきの違いからさまざまなことを読み取っていく形態学、興味がある方はぜひ一緒に学びましょう。

先生の学問へのきっかけ

 細胞検査士は、患者さんからとった細胞を顕微鏡で検査して、異常な細胞を見つけ出す仕事をします。私は高校時代、友人のお姉さんが進学した臨床検査技師の学校の話を聞き、興味を持ったことからこの分野をめざしました。大学病院で働きながら細胞検査士の資格を取得し、実際に病理検査室で患者さんの病理・細胞診検査に携わってきました。子宮頸(けい)がんなどでは、細胞のほんのわずかな変化を見つけることができれば、もとの健康な細胞に戻すことができます。病理細胞診検査は患者さんの命を守るとても重要な役割を担っているのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

病院臨床検査技師/病院細胞検査士/大学医学部病理学教室研究員/医療系企業学術スタッフ/検査センター細胞検査士/治験コーディネーター ほか

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島田 智子 先生がいらっしゃる
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