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講義No.09510

メディアの研究を通して見えてくる社会

社会問題とメディア報道

 過去の出来事を振り返ると、発生当時は世間的に注目されず、大きく報道されなかったことが、その後、教科書に載るような社会問題になったことはあります。例えば四大公害病の一つである熊本県で発生した有機水銀中毒の水俣病は発生当時、公害が大きな社会問題としてとらえられていなかったために全国的には報道が少なく、すぐには訴訟に発展しませんでした。逆に最も早く訴訟が起こったのは、「第二水俣病」と呼ばれる新潟県で発生した水俣病でした。これはすでに報道を通して公害が社会問題だと認識されていたからだとも言えるでしょう。

誰もが情報を発信できる時代

 こうした社会問題や事件などを知る手段といえば、かつてはマスメディアを通じた、不特定多数の人に大量の情報を伝える「マス・コミュニケーション」が主流でした。しかし今ではSNSなどのインターネット、つまり個人に開かれたメディアを使い、誰もが情報を発信できるようになりました。中にはテレビ局や新聞社の社員が取材する様子を、一般の人が動画に撮って投稿するようなことまで起こっています。
 また、テレビや新聞で報じられていないことが、SNSでの投稿をきっかけに大きな社会問題になることもあります。一方で、事実と異なる報道をする「フェイクニュース」や、マスメディア批判も後を絶たず、社会問題をめぐるコミュニケーションはますます複雑化しています。

なぜメディアの研究が必要なのか

 日々、私たちはメディアを通したコミュニケーションを行っています。メディアを取り巻く状況の変化や、メディアやコミュニケーションのあり方について、現状や課題を考える研究が日々行われているのは、社会がメディアを通じた人と人とのコミュニケーションによって成り立っている部分が大きいからです。言い換えればメディアの研究を通してコミュニケーションの変化、さらには社会についてもとらえられるようになります。
 誰もが情報発信者になる時代にあって、メディアについての研究は人生の多くの場面でも生かせる学びなのです。

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この学問が向いているかも 社会学

帝京大学
文学部 社会学科 准教授
山口 仁 先生

メッセージ

 高校時代にめざすべき専門分野が定まっていなくても、大学に入ってから何気なく受講した講義に興味を持ち、徐々に自分のテーマが明らかになっていくことはよくあります。また、たとえ入学前に研究したい方向性が決まっていたとしても、大学でさまざまな学問に触れ、これまでの自分の思いに揺らぎやズレが生じることもあると思いますが、それでいいのです。
 それぞれの学問の間には垣根があるようでいて、実はありません。それぞれの分野がオーバーラップしているところもありますので、いろいろな学問に自由に挑戦してください。

先生の学問へのきっかけ

 私は、大学で社会学に出合うまでは、社会学についてはよく知りませんでした。もともとは将来、法律に関係する仕事に就きたくて法学部へ進学したものの、第一希望の法律学科ではなく、やむなく政治学科へ進むことになってしまいました。しかし、そこで受講した社会学の講義が面白く、興味を持ちました。その講義を担当していた教授がマス・コミュニケーション論を専門としていたことから、さらにメディアとは何か、ということにも関心を広げていきました。そして社会と政治、メディアの関係性について研究する道を歩むようになったのです。

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 医療系・文系・理系と幅広い分野の10学部32学科を擁する総合大学です。文系学部を中心とした八王子キャンパスでは、約15,000人の学生が学んでいます。東京多摩丘陵の自然豊かな景観に位置し、キャンパスリニューアルにより新校舎棟「SORATIO SQUARE(ソラティオスクエア)」が2015年9月完成。
 2017年11月には2期エリアが完成し、「帝京大学総合博物館」をはじめとした、施設・設備が整備され、教育指針である「実学」「国際性」「開放性」を柱に、自ら未来を切り拓く人材を育成しています。

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