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講義No.09502

放射線を出す物質を体の中に入れて検査し治療する

X線やCTは形を見る

 健康状態を知るときや体調が悪くなったときに行うX線やCTなどの検査は、人工的にX線という放射線を発生させて、体の中を画像化して病気などの原因を探すためのものです。しかし、これらの検査は形の変化を見ることはできても、機能の異常を探すことはできないので、病状が進む前の発見が難しいことがあります。

薬に放射線を出す物質をつける

 自然界には放射線を出す元素がいくつかあります。これらを薬に含ませて体内に入れてみたらどうでしょう。例えば、がん細胞に集まる薬に放射線を出す物質をつけて体に投与します。これらが、がん細胞に集まれば、そこから放射線が出るので、がん細胞の存在を写真に撮ることができます。同時に、放射線の量を測ることでがん細胞の強さがわかります。また、腎臓で濾過(ろか)されるような不純物に放射線を出す物質をつけて投与すれば、腎臓がきちんと働いているか、どれくらいの不純物を尿にかえているかを知ることができます。放射性物質を体に入れるのは危険に思えるかもしれませんが、使われる物質はいつまでも放射線を出し続けるわけではありません。たいていはその日のうちに放射線を出さなくなるので問題はないのです。

体の中から放射線治療も

 このような検査は「核医学検査」と呼ばれ、すでに医療現場で活用されています。検査だけではなく、治療のための薬に放射性物質をつけておけば、ターゲットとなる臓器や組織に確実に集まっていることが確認できます。また甲状腺がんなどでは、甲状腺に集まるような薬に強い放射線を出す物質をつけることで、自然とそこに集まって、放射線で直接、がん細胞を殺す治療ができるのです。
 これからの医療は遺伝子レベルで個人に合わせた治療になってくるために、患者の体の機能を正しく把握しないとよい治療にはつながりません。核医学のより進んだ活用には技術的な進歩に加えて、法の整備などの問題解決も必要です。将来は抗がん剤などの治療薬にこの技術を活用することで、確実な効果を実証できるようになるでしょう。

夢ナビライブ2019 東京会場

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この学問が向いているかも 診療放射線技術学、核医学検査技術学

杏林大学
保健学部 診療放射線技術学科 講師
松友 紀和 先生

メッセージ

 診療放射線技師の仕事は放射線を使って検査や治療をする、というイメージが強いと思います。しかし、今はそれらに加えて、画像に写ったところに異常がないか、医師の診断の補助(読影補助といいます)をするのも診療放射線技師の仕事になってきています。
 医療職にはいろいろな仕事があり、多くの人が1つのチームになって患者さんが元気になるように努力します。その中で最初の判断にかかわるのが診療放射線技師です。今も昔も、そしてこれからも、医療の重要な部分を担っていく仕事です。

先生の学問へのきっかけ

 高校1年生のときに通っていた病院の女医さんの「診療放射線技師は後々の医療で必ず先頭を走る仕事になる」という一言で、診療放射線技師をめざすことを決めました。そこからは絶対に理系に行くと決め、数学と物理を猛勉強しました。そして診療放射線技師として働き始め、最初は写真を撮ることが仕事でしたが、女医さんの言ったとおり、診療放射線技師は検査をするだけでなく、画像診断に助言を求められるような立場になっていったのです。確かな医学的知識と研究者としての基礎的な力をつけるために、働きながら大学院に行き、今の研究職に就きました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

診療放射線技師(大学病院、公的病院、民間病院、クリニック)/アプリケーション・マーケティング(医療機器メーカー、製薬会社)/研究員

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松友 紀和 先生がいらっしゃる
杏林大学に関心を持ったら

 若者に人気の街で知られる、吉祥寺からほど近い三鷹市に、2つのキャンパスがあります。三鷹キャンパスは、医学部と保健学部看護学科看護学専攻、井の頭キャンパスは、看護学専攻以外の保健学部、総合政策学部、外国語学部。両キャンパス間は徒歩10分の距離にあります。
 総合大学でありながら、異なる分野の4つの学部が混成、「地域と大学」の授業もあります。教員と学生の距離が近く、個性を大切にし、一人ひとりの着実なキャリアアップをサポートします。

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