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講義No.09472

イメージや想像力を育むにはたくさん真剣に遊ぶこと

子どもの絵と大人の絵との違いとは?

 あなたは、子どもの頃にどんな絵を描いていましたか? 成長してから見ると、大人の絵とはまったく違うユニークさがあり、驚くでしょう。大人は計画性、合理性を求めます。整っていることが気持ちのよいものだからです。一方、子どもはその場の感情や思いを満たそうとする行動をします。子どもにとってそれが表現なのです。大人は絵で「見やすさ」や「きれいさ」を優先しますが、子どもは「こうしたい」とか「知っている」ことを絵に描きます。これが大人の絵と子どもの絵の大きな違いです。

絵から子どもの声を聞く

 まず、子どもの絵に大人の上手や下手という視点は存在しません。それは子どもが大人(保育者)のために絵を描いているわけではないからです。しかし、大人はすぐに大人が見てわかる描き方を教えたりしようとします。保育者は、子どもの考える時間や気分転換にその場を少し離れるという時間を理解してあげることが大切です。この時間を大事にすることで、子どもは安心して画面に向かい絵に思いを込めます。それを受け止め、絵からの声を聞いてあげることが保育者の役目です。認められることで子どもは遊び同様に「こうしたい」を自分で考えられるようになるのです。

子どもとピカソ

 子どもにイメージや想像力が必要な作品をいくら考えさせてもできません。ましてや保育者が良い指導と称し教えたところで、出来上がったそれは「大人がさせたい」ことが「できた」だけです。子どもはたくさん遊んで、やってみたいことをたくさん経験すると勝手にそれらを自分なりの方法で表現していきます。大事なことはその手法はさまざまである、ということです。この多様な物事に向かう姿勢を持っている芸術家の一人が、あなたも知っているピカソです。絵を通じて子どもを育んでいくことを考えた時、一見理解しがたいピカソの作品の謎を探ることで、アートの意味を知るとともに、子どもとの共通点が見えてくるのです。

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この学問が向いているかも 初等教育学

白百合女子大学
人間総合学部 初等教育学科 准教授
椎橋 げんき 先生

メッセージ

 ふと、自分は将来何をするか、と進路を考えた時、その「何か」がわからないことに焦ったことはないですか? それは「好きなこと」が何か、ということを考えてしまうからです。将来やっていきたいことを選ぶ際、「好きなこと」だけでなく、自然体で継続できる「苦」ではないことも大事な選択肢です。「これならずっとできる」ことは何よりの武器です。今はそれを頭の片隅に気にかけておくだけでもその広がりに対する感度が増します。その「におい」を嗅(か)ぎ付けられるようになります。今しかないこの感度を育むことが大切なことです。

先生の学問へのきっかけ

 美術系の大学で日本画を専攻していた頃、課題で風景を描くことになり、子どもの頃、毎日のように遊んでいた公園を訪れました。その光景を見ているうちに、当時ここで自分は何を見て何を感じていたのだろうと思いました。その思いを紐解くために、大学2年の時に保育園でアルバイトを始めました。経験もないのに急に2歳児の中に入って大変でしたが、数年後、保育と自分が培ってきた美術の分野が結びつく可能性に気づいたのです。子どもたちにこり固まった大人の頭をほぐしてもらい、絵の制作活動にもよいパワーをもらっています。

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椎橋 げんき 先生がいらっしゃる
白百合女子大学に関心を持ったら

 新宿から電車で約20分の東京都調布市仙川にある大学です。少人数だからできる対話型教育の実践と細やかなキャリア支援が特長で「知性と感性との調和のとれた女性の育成」をめざしています。学べる分野は、文学部(国語国文学科、フランス語フランス文学科、英語英文学科)と、人間総合学部(児童文化学科、発達心理学科、初等教育学科)です。初等教育学科では、幼稚園教諭免許と保育士資格の同時取得が可能で現場体験を重視。1年次から現場体験を積み重ねることで、子どもの目線に寄り添うことや健やかな成長を促す重要性を学びます。

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