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講義No.09281

地域の住民と協力して新たな観光への転換をめざすプロセスを学ぶ

オールシーズン、オール資源活用の観光へと転換

 スキー人口は、1990年頃をピークとし、昨今は半分以下に減っています。例えば、長野県飯山(いいやま)市には、かつてスキー場が10カ所程度ありましたが、今は3分の1ほどです。スキーを目的とした宿泊施設も経営的に厳しくなっています。そこで冬の観光から、春・夏・秋グリーンシーズンの観光への転換が求められています。これはウィンタースポーツを観光の目玉としてきた長野県の観光地やリゾート地全体に共通する課題です。

多様な生活に触れることが大切

 こうした課題やその解決方法を考えるには、実際に過疎や高齢化が進む地域に行き、地元の人と交流を深め、現場で問題を把握することが重要です。観光施設経営者や、移住してきた人などからいろいろな話を聞けば、その取り組みを知ることができます。その中で多様な生き方や生活に触れることも大切です。そうすることで、エコツーリズムや地域の暮らし、文化を生かした観光プログラムを提案できます。
 また、あまり知られていませんが、魅力的な風景や見晴らしのよいスペースを、もっと観光に活用するためのアイデアを出し合ったりもします。模型を使って既存の施設と周囲の景観を生かした新たな開発計画を三次元で考えることで、より具体的に検討できます。

説得力を持ってプランニングし提案を

 膨大な予算が必要な案は、なかなか実現できませんが、地域での社会実験や地域住民による景観づくりなどはすぐに実行に移せます。アイデアを出すだけではなく、説得力を持ってプランニングし、提案できるかどうかが大切なのです。地域の住民と協力して実現に向けたプロセスを考えていきます。
 地域の活性化を考えるためには、旅に出ることもいい経験になります。ヨーロッパでは若者が長期間、旅に出ることは一般的です。なぜなら、旅は風景を見たり食事を楽しんだりするだけでなく、人生を豊かにしてくれるからです。いろいろな経験を積み、人生を考える時間を持つことも旅の役割です。旅が新しい視点をもたらしてくれるのです。

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この学問が向いているかも 景観工学、まちづくり工学、観光学

長野大学
環境ツーリズム学部 環境ツーリズム学科 教授
熊谷 圭介 先生

メッセージ

 絵はがきになるような景勝地だけが素晴らしいわけではありません。全国各地には、味のある風景があります。慣れ親しんだ風景であっても、見る側の文化や体験、教養によって見え方が変わってくるものです。そこにある物語や、人々のつながりなどは、風景を価値あるものにしてくれます。
 一方で、野放図に開発したために、ダメになってしまった風景もあります。風景を見る目を持った人が、まちづくりの計画に携わらなければならないのです。あなたもそういう目を養い、景観を生かすには、どうすべきか考えてみてください。

先生の学問へのきっかけ

 長野県松本市出身で、子どもの頃から岳都ともいわれる風格ある故郷の風景が大好きでした。大学入学後、景観工学の授業を受け、自然風景や歴史的景観を尊重し、時間をかけたまちづくりに興味を持つようになりました。大学では、展望施設の設計基準や、景観を阻害せずに送電線などの土木施設を配置する方法について研究しました。卒業後は民間のコンサルティング業者に勤め、北陸新幹線開業に向けた沿線都市の観光推進やまちづくりなどに取り組んできました。旅の動機付けや印象に関わる風景をベースにしてまちづくりを考えています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

鉄道事業運営部門/旅行会社企画・営業部門/観光・リゾート開発会社企画・運営部門/官公庁まちづくり

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熊谷 圭介 先生がいらっしゃる
長野大学に関心を持ったら

 長野大学は、社会福祉学部、環境ツーリズム学部、企業情報学部の3学部からなる大学です。
 本学は「地域貢献」を大学憲章に掲げ、学生が地域の課題を発見し解決できる人材に成長できるよう、地域の方との交流や地域産業への貢献など地域に根ざした学びを実践しています。
 さらに社会で必要とされる資格の取得(IT・簿記・語学)や希望する職業(公務員・教員)への就職をめざす「5つの特別コース」を設置し、地方上級公務員(行政職・福祉職)をはじめ金融機関、医療、福祉や観光関連などあらゆる分野で活躍しています。

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