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講義No.09110

細胞をコントロールするさまざまな薬とその副作用を知っておこう!

細胞増殖による病気

 私たちの体は細胞でできています。細胞は増殖する力を持っており、悪い細胞が増殖すれば、がんのように人間を命の危険にさらすことがあります。また細菌も、細胞でできている生命です。細菌によって引き起こされる病気は、細菌の増殖を抑えることによって、症状を軽減したり、治したりすることができます。そのため、医薬品の多くには、細胞の増殖を制御するという働きがあります。

抗がん剤と抗生物質

 病気の進行を抑えたり、症状を和らげたりするためには、さまざまな薬が使われますが、薬には副作用がつきものです。例えば、がん細胞をやっつける働きがある抗がん剤です。がん細胞とは、もともと人間の体内にある細胞ですから、基本的な仕組みは同じであり、抗がん剤は、がんではない細胞にも影響を及ぼします。抗がん剤は細胞の増殖を抑える作用があるため、特に細胞増殖の激しい部位である、髪の毛や爪、血球などが影響を受けやすいのです。
 一方、細菌の細胞は人間の細胞とは異なるものなので、細菌をやっつけるための抗生物質が人間の細胞に大きくダメージを与えることはありません。しかし抗生物質は、病原菌だけでなく、人間の体に必要な腸内細菌をも攻撃してしまいます。ただ、細菌は増殖する力が強いので、抗生物質を飲むのをやめれば、腸内細菌はすぐに元のように腸内に増えていきます。

細胞の老化を防ぐ

 薬学という分野では、病気に効く薬ばかりではなく、人間の健康に役立つさまざまなものが研究対象になります。例えば、肌や血管には、弾性繊維という伸び縮みするタンパク質が含まれています。年をとるとともにその弾性がなくなっていき、しわやたるみの原因になるということがわかっています。そこにどういう物質や刺激を与えると細胞の老化が防げるかという研究は、薬によって細胞をコントロールする研究とほぼ同じものです。こうした美容に関わるような研究も、薬学における大きな研究テーマの一つとなっています。

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チミジン代謝と医薬品

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この学問が向いているかも 細胞生物学

星薬科大学
薬学部 薬学科 教授
輪千 浩史 先生

先生の著書
メッセージ

 もし、あなたが薬学の道をめざすなら、ある薬が人間の体にどんな影響を及ぼすかということを推定するための確実な知識を、自分の中に蓄積していってほしいと思います。そして単に薬が関係している科目を勉強するのではなく、その科目が薬学にどう関わるか、自分なりのひもづけをして学ぶ姿勢を持つとよいでしょう。
 単に点数を取るための勉強ではなく、本質を理解して、社会に表れている物事の原理・原則を見極めるための勉強を心がけてください。

先生の学問へのきっかけ

 私は、昔から細胞に興味を持っていました。細胞は増殖し、一人の人間の体にさまざまな種類の器官をつくります。そうした「細胞の持っている力」に強い関心があったのです。家族が薬局を営んでいたこともあり、薬学の分野でも細胞について学べることに気づき、薬学部に進みました。研究者の道に進んだのは、自分のやったことを形にしておきたいと考えたからです。仕事は論文という形で残り、それが生きた証になります。今後は美容や健康の分野で、近年、注目されている弾性繊維研究の先人として研究をリードしていきたいと考えています。

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輪千 浩史 先生がいらっしゃる
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 星薬科大学は東京・品川にキャンパスが位置し、日本の私立薬科大学(薬学部)のなかでも五指に入る伝統校です。『本学は世界に奉仕する人材育成の揺籃である』を建学の精神に掲げ、チーム医療の一員として活躍する優れた資質を有する薬剤師の養成と、次代の創薬を担う研究・開発者の育成を目標に、薬学科(6年制)と創薬科学科(4年制)の2つの学科を設置、独自の教育を展開することで、薬学の進化・発展に貢献するスペシャリストの育成をめざしています。

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