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講義No.08981

身近な植物が薬になるかも? あなたの知らない「生薬」の世界

古くから使われてきた天然の薬-生薬

 地球上には、病気の治療や健康の維持に効果のある成分を含む植物が数多く存在します。人間は古くから、そのような植物を生薬(しょうやく)として利用してきました。生薬の多くは植物に由来しますが、動物や鉱物を由来とするものもあります。

生薬の薬効成分を科学的に分析する

 例えば、センブリという薬草をお茶にしたセンブリ茶は非常に苦いのですが、胃腸の調子を整えて食欲の増進を促す働きがあります。ゲンノショウコという薬草は、煎(せん)じて飲むと下痢止めの効果があります。またケイヒ(シナモン)は、市販の胃腸薬の多くに配合されています。このように、生薬を単品で用いる方法のほか、漢方薬のように複数の生薬を組み合わせて用いることで、多様な効果を得ようとする方法もあります。
 生薬や薬効があるとされる植物などを科学的に分析し、有効とわかった成分をそのまま、あるいは一部構造を化学合成により変換して新しい薬を開発する研究も、世界各国で盛んに行われています。コンピュータや人工知能がこれだけ飛躍的に発達した今の時代でも、全くのゼロの状態から人工的に開発することのできた薬は非常にまれです。人間が天然物から学ぶべきことは、いまだに数多く残されているのです。

身近にある薬のヒント

 ごくありふれた園芸用の草花にも、分析してみると意外な効能が見つかる場合があります。少し前になりますが、庭で栽培されているようなユリ科植物の球根から、抗がん活性を示す成分が発見されたことがありました。園芸植物は広く栽培されていますので、簡単に入手できるという利点があります。地球上に何万種類とある植物の中で、成分の分析が行われている植物は、ほんの1、2割に過ぎません。私たちのすぐ身近に、思いがけない「宝」が眠っているかもしれないのです。

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この学問が向いているかも 漢方薬物学、生薬学、天然物化学

東京薬科大学
薬学部 医療衛生薬学科 漢方資源応用学教室 教授
三巻 祥浩 先生

メッセージ

 私は大学で、主として植物を由来とする薬、すなわち生薬(しょうやく)や、漢方薬の研究を行っており、その魅力を学生に伝えています。生薬学、漢方薬物学といった科目は、薬学部に特徴的な科目です。地球上には、私たちの知らない薬効を持つ植物がたくさんあります。無数の植物の中から、病気の治療や健康増進に役立つ成分を見つけ出し、新しい薬の開発をめざしています。それは、宝探しのようなものかもしれません。私たちと大学で研究しながら、もしかすると人類を救うことになるかもしれない「宝」を見つけてみませんか?

先生の学問へのきっかけ

 小さい頃あまり身体が丈夫ではなく、喘息もちでしたので、しばしば薬のお世話になっていました。その経験から将来は医学の道に進もうかと考えていたところ、父の友人の医師から薬の研究を勧められました。そのアドバイスをもとに、薬学の研究に携わるようになりました。大学時代、毎年夏バテで微熱を出していたのですが、漢方薬を服用して症状が軽くなったことをきっかけに、生薬や漢方の研究に興味を持ちました。地球上に何万種類とある植物の中から、人類を救う宝のような薬が見つかるのかもしれないと考え、研究を続けています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

製薬会社研究員/漢方相談薬局薬剤師/病院薬剤師

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三巻 祥浩 先生がいらっしゃる
東京薬科大学に関心を持ったら

 東京薬科大学は私立で最初の薬学部と、日本で初めての生命科学部を併せ持つ大学です。
 緑に映える赤レンガのキャンパスでは、両学部とも多彩な実験や研究活動を通じて、学生が自ら考える力を伸ばすこと、医療分野、生命科学・環境分野でヒューマニズムあふれるスペシャリストの育成を目指しています。

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