夢ナビ夢ナビは、さまざまな言葉をデータベースから検索・閲覧し、将来の進路を決める“きっかけ”を提供します。

講義No.08625

植物は自らの傷をどうやって知って、治しているのか?

神経がないのに、なぜ傷ついたとわかる?

 多くの植物には、組織の一部が傷ついても、その傷を修復することのできる能力が備わっています。しかし植物には、人間や動物のような神経や血管はありません。植物はどのようにして、自らの組織に傷がついたことやその場所を感知し、傷を修復しているのでしょうか?

植物ホルモンの流れが示す傷の位置

 植物に傷がつくと、傷がついたことやその場所を植物自身が感知しなければ、修復することができません。その際、植物ホルモンが重要な役割を果たしていることが明らかになっています。ある植物では、茎の上から下に方向性を持って動いていく植物ホルモンがあり、その動きが傷の部分で止められると、どの細胞が傷より上か下かを感知し、傷で失われた部分を作り直す作業を始めるのです。傷ついた部分が作り直される際には、表面組織や水や養分を運ぶ組織、植物自体を支える細胞など、さまざまな種類の細胞が必要となります。それらの細胞がどのように分化してそれぞれ適切な位置に配置されるのか、その仕組みに関してはまだわかっていないことがたくさんあります。

「接ぎ木」に関する数多くの謎

 こうした研究の延長線上にあり、今、世界的にも注目されているテーマとして、植物の「接ぎ木」についての研究があります。接ぎ木とは古くから用いられている植物の栽培方法の一つで、台木(だいぎ)と呼ばれる土台の植物に違う植物の穂木(ほぎ)をくっつけて栽培する方法です。農業技術として広く用いられているこの接ぎ木に関しても、なぜ違う植物同士なのにくっつくのか、どのような仕組みでくっついているのかなど、明らかになっていない謎が数多く残されています。
 最近は、実験方法や分析技術が急速に進歩しており、わずかな量のサンプルで精度の高い分析ができるようになりました。接ぎ木に関する数々の謎も、これから解明が進んでいくのではないかと期待されています。

夢ナビライブ2019 東京会場

アイコン

講義を視聴する(1分)

アイコン

講義を視聴する(1分 その2)

アイコン

講義を視聴する(1分 その3)

アイコン

講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 生物科学

帝京大学
理工学部 バイオサイエンス学科 准教授
朝比奈 雅志 先生

メッセージ

 私は、植物の「傷の修復」や「接ぎ木」の研究をしています。接ぎ木は違う植物同士をくっつける技術ですが、なぜこのような現象が起こるのか、なぜ違う植物をくっつけることができるのか、まだまだわかってないことがたくさんあります。そこで私は、帝京大学にある世界最先端の研究装置を用いて、このテーマについての研究を続けています。
 バイオサイエンス学科では、植物だけでなく、動物、微生物、食品、化学など、ありとあらゆる分野の研究をすることが可能です。あなたの若い力で、生命の謎を解いてみませんか。

先生の学問へのきっかけ

 大学では教育学部で学んでいましたが、小さなプランクトンの形がユニークなことに興味を持ち、研究室でそうした微生物を観察していました。将来の進路を考えていた時、ほんの小さなことでもいいから「自分自身で発見したことを教えられるような立場の人間でありたい」と思うようになり、大学院での研究の道を選択しました。そこで恩師から「植物の傷を修復するメカニズムについて研究してみたら」と提案されたのです。それまで遺伝子や植物ホルモンについてはよくわからないからと避けていたのですが、やってみたら逆に面白かったのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

衛生管理会社営業/食品会社品質管理/食品会社営業/製薬会社品質管理/製薬会社営業/農業法人飼育販売/外食産業営業/官公庁一般職/金融営業/通信ITSE/医療福祉一般/警察官/消防士など

大学アイコン
朝比奈 雅志 先生がいらっしゃる
帝京大学に関心を持ったら

 帝京大学 宇都宮キャンパスは栃木県宇都宮市の北西部の高台にあるキャンパスで、理工学部の4学科(機械・精密システム工学科、航空宇宙工学科、情報電子工学科、バイオサイエンス学科)をはじめとして、医療技術学部柔道整復学科、経済学部地域経済学科が開設され現在は文系・医療系・理工系を擁するミニ総合キャンパスとなっております。それぞれの学問領域で交流を図りながら各分野のスペシャリストとして、将来、さまざまな分野の核として、地域に貢献できる人材を育成します。

TOPへもどる