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講義No.08611

幼児期の自然体験が「センス・オブ・ワンダー」を育む

自然への親しみと科学性の芽生え

 幼児に絵を描かせると、野菜や花などにも顔の表情を加え、人間と同じように存在しているかのように表現していることがよくあります。これは幼い子どもが自然を身近に感じ、親しみのある存在としてとらえている表れとも言えるでしょう。一方で幼児期は、人間が自然とどのように関わって暮らしているのか、科学性が芽生える時期でもあります。「なぜ植物が育つのか」といった客観的に自然をとらえる力は、人間が生きていく上で必要なものです。このように幼い子どもは自然に対する温かい気持ちと、科学的な芽生えが混とんとしているので、その両方をより良く伸ばす保育が求められています。

大事にしたい子どもと自然とのふれあい

 幼い子どもは手の届くところにある自然を五感で感じようとするので、例えばなんでも口に入れて確かめるのは科学的な探究を行っている結果です。自然と子どもがどう関わり、どのように成長していくかは、保育者として必要な知識と言えるでしょう。
 一方、東日本大震災の原発事故の後で心配された放射能汚染など、子どもを取り巻く自然環境に異変が起こることもあります。困難な状況の中で、子どもが自然にふれる機会をどのように保っていくかは大きな課題であり、工夫して乗り越える力が保育者には求められます。

「センス・オブ・ワンダー」を育む

 レイチェル・カーソンは著書『沈黙の春』で、身近な自然と多く関わった子どもは「センス・オブ・ワンダー(自然の持つ神秘さや不思議さに目を見はる感性)」が育まれていくと書きました。センス・オブ・ワンダーを身につけ、生命の素晴らしさに気づいた子どもは、大人になると、さまざまな環境問題に自ら立ち向かうようになるでしょう。
 幼児期の自然との関わりが、その人の人生に大きな影響を及ぼすのです。このように自然と子どもの成長について深く理解し、科学的な分野にも関心を高めておくことが保育者には求められているのです。

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この学問が向いているかも 子ども学、保育学、環境教育学

東京家政大学
子ども学部 子ども支援学科 教授
大澤 力 先生

メッセージ

 将来、子どもの教育に関わりたいと願うなら、若いうちにできるだけ多く自然と関わり、自然の素晴らしさや厳しさを体感してもらいたいと思います。
 私は農学部出身で、10年間幼稚園で担任を務めましたが、自然と子どもに関わる仕事は本当に素晴らしいことを実感しています。自然とのふれあいの中で子どもをより良く育て、子どもが本来持っている力を伸ばすにはどうしたらよいのか、一緒に研究してみませんか。子どもの教育はもちろん、自然や科学に興味があれば夢のある研究だと思います。

先生の学問へのきっかけ

 自宅の庭や近くの公園など、身近な自然で虫や草花に触れるきっかけを作ってくれたのは母でした。大学は農学部に進みましたが、たまたま大学創立者の家に住み込んで大学へ通うことになりました。その出会いから教育にも興味を持つようになり、教員免許を取って幼稚園教諭として勤務を始めました。
 子どもたちと過ごす仕事は夢とやりがいに満ちていて、かけがえのないものでした。同時に、子どもを育てる責任の重さにも気づかされました。そのような経験から、子どもの保育と自然の関わりについて研究する道を選んだのです。

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大澤 力 先生がいらっしゃる
東京家政大学に関心を持ったら

 東京家政大学は、明治14年、127年前に職業人(教員)養成校としてスタート。仕事を通して社会とかかわり、自分の生き方を真剣に考える堅実な女性を育ててきました。資格取得、専門教育への学生の満足度は外部調査で全国第一位を連続獲得。専門職に強い大学です。今までも、これからもこの姿勢を変える事なく「自分の力で夢をかなえ、自分の道をしっかり歩く女性」をていねいに支え続けます。

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