夢ナビ夢ナビは、さまざまな言葉をデータベースから検索・閲覧し、将来の進路を決める“きっかけ”を提供します。

講義No.08513

遺伝子だけでは決まらない!? 脳の仕組みと働きの不思議

スーパーコンピュータ以上の働きをする脳

 脳には1000億個もの神経細胞があり、行動や学習、記憶、感情などをコントロールしています。どの細胞がどう働き、何をコントロールするかは、遺伝子の情報で決まっています。神経細胞は複雑な接続ポイントでつながり合って「回路」を作り情報のやりとりをしています。神経細胞1つにつき、数千から数万カ所もの接点があるので、膨大な数の情報処理を行っています。これはスーパーコンピュータ以上の高い情報処理能力です。スーパーコンピュータは膨大な情報を高速で演算するのに長けているのに対し、脳はあるものを見ながら音声を聞き、手を動かして書き留めるといった、並列の情報処理が瞬時にできるのが特徴です。

使われ方や刺激で変わっていく脳

 脳の神経細胞の接続ポイントは突起を伸ばし、さまざまなつながり方をして情報をやりとりし、記憶を蓄えます。しかも使えば使うほど強化され、使わないと眠ってしまい死んでしまいます。また、突起を伸ばす、接続ポイントが接着するといった基本的な原理は遺伝子の中に書いてありますが、どんな時にどのようにつなぎ変わったり、働きを変えたりするかまでは遺伝子では規定されていません。同じ遺伝子を持っていても、どう使うか、どんな教育を受けるか、体験をするか、栄養をとるか、音楽やスポーツなどの刺激を受けるかで、脳が鍛えられて「脳力」が変わるのです。

脳の新研究でわかったこと

 脳の神経細胞のほとんどは生まれた時に備わった以上には増えず、どんどん死んでいき(20歳を過ぎると毎日10万個が細胞死)、元には戻らないというのが定説でした。脳にダメージを受けた時にするリハビリは、脳はフレキシブルな性質があり使えば使うほど働きやすくなるという特性を生かし、死んでしまった細胞を置き換えるような新しい回路を作ったりする訓練にもなります。
 しかし最近、脳には神経の幹細胞、「神経幹細胞」があり、新しい体験や勉強をすることで新しく神経細胞を生み出し、その結果、記憶を強化できることがわかってきました。

夢ナビライブ2018 東京会場

アイコン

高度な情報処理のネットワーク

アイコン

グリア細胞の役割

アイコン

シナプス可塑性とは?

アイコン

講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 神経科学

東京理科大学
理工学部 応用生物科学科 教授
古市 貞一 先生

メッセージ

 脳はどんなふうに形作られ働くか、興味ありませんか? 脳の中には神経細胞が1000億個あると言われています。神経細胞は互いにつながって情報をやりとりし、処理し、心や行動をコントロールします。スーパーコンピュータ以上に優れた能力を、あなたは頭の中に持っているのです。
 脳は使わないと正しく働かないし覚えません。いろいろ体験し、考えて、脳を鍛えてください。研究室では機械工学や情報工学の研究者とともに「脳学際研究部門」を作り、生活に役立つ仕組みも考えています。

先生の学問へのきっかけ

 大学と大学院の時代は現在とは全く異なる「微生物の研究」をしていました。
 大学院を修了して研究者になる道を考えたとき、脳というジャンルに出会いました。脳の高速で、同時並行で情報を処理できる高度な仕組みがどうやってできるかを解明するにあたって、生命の設計図であるゲノム上の遺伝子が脳の基本的な形作りに関係していることに興味を持ったことで、「脳の研究」を手がけることにしました。
 「脳の発達や機能を知る謎が遺伝暗号に秘められているのではないか」と思い、脳と遺伝子の関係を探る研究をしています。

大学アイコン
古市 貞一 先生がいらっしゃる
東京理科大学に関心を持ったら

 東京理科大学は8学部33学科、大学院11研究科30専攻を擁し、理工系のほぼ全ての分野を網羅する理工系総合大学として、多方面わたる科学技術者や研究者、理数系教員を輩出しています。教育面では、実力を備えた学生を卒業させる「実力主義」の伝統を受け継ぐとともに研究力・人間力・国際力を育んでいます。研究面でも30を超える研究センター・部門等があり最先端の研究が活発に行われている他、国公立や民間の試験研究機関との連携大学院協カなどを行っています。

TOPへもどる