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講義No.08174

開発途上国の経済発展のために~ネパールの発展の道を探る~

地理的条件が悪く産業発展が遅れている国

 世界には、経済発展の水準が低い「開発途上国」が多数あり、ネパールはアジアの開発途上国の中でもとりわけ発展段階の低い「最貧国」です。エベレストやアンナプルナといった世界最高峰の標高8000m級の山々がそびえ、トレッキングや登山などで訪れる人が多い国です。ただし内陸国なのでガソリンなどの燃料の輸送費が高く、道路網も未整備、乾季には首都地域でも1日10時間以上停電が続く、生活するには厳しい側面もあります。インフラ網の整備が遅れているため、海外からの直接投資の受入れによる重工業発展や産業振興には厳しい国でもあります。農村部はさらに厳しい状況であり、電気やガス、水道も整備されていない地域が未だに数多くみられます。水道を利用できない世帯では、毎日何時間もかけて、川や泉まで水を汲みに行かなければなりません。

あなたが国の指導者なら、どうやって発展させる?

 現在数多くの援助機関やNGOが、貧困削減や経済発展をめざしてネパールで支援活動を行っています。生活用水の課題を解決するために、農村で小型の水力発電所の建設、太陽光発電設備を応用した水汲装置の導入、といった事業も進められています。ただし、それらの事業は、援助する側の国や組織の方針が変われば、規模が縮小、あるいは終了してしまうかもしれません。あなたが国の指導者なら援助をどのように国の発展に取り込もうとするでしょうか。

長期戦略に基づいた現実的な計画こそ重要

 国の経済発展を進めるためには援助や海外からの投資は必要です。重要なのは「どのような国をめざすのか」という長期的な国家戦略を基とした、実現可能な開発計画の策定です。海外からの資金を上手に国の発展に取り込んで、費用対効果が高い効果的な援助事業を実践することが重要です。生活用水の課題に関しても、先進国からの技術や資金を活用し、ネパールの実情や環境に合致した導入・維持管理が求められます。効果的な事業を一つひとつ進めていくことが持続可能な発展にもつながっていくのです。

夢ナビライブ2018 東京会場

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貧困とはどのような状況のことを指すのか?

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ネパールの農村の現状

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農村での水汲み

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講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 開発経済学、環境経済学

長崎大学
多文化社会学部 多文化社会学科 准教授
小松 悟 先生

先生の著書
メッセージ

 開発途上国に対して、どんなイメージを持っていますか。「貧困に苦しむ人々」「学校に行けない子どもたち」などのイメージでしょうか。実際、世界には貧困に苦しんでいる人が10億人近くいます。では、それらの国の開発を進めるため、どんなことをすればいいか、具体的に考えたことはありますか。
 「国際開発」について学ぶことで、世界の仕組みを知ることができるほか、経済や政治、国際関係、教育などさまざまな学問の見地から、世界の課題の原因や対策を、冷静に分析する視点が養えます。

先生の学問へのきっかけ

 私は自然の豊かな北海道にあこがれており、北海道大学に進学しました。北海道大学農学部で動物の生態を学ぶうちに、生態系を持続可能な形で保全するためには、自然を利用する人間活動の理解を深めることが重要だと思うようになってきました。また、世界中では貧しい人が数多く存在し、環境問題に対処するためには、人間の生活改善も同時に図ることこそ重要だと考えました。そこで経済学の視点で環境問題を考える「環境経済学」、貧しい国の開発のあり方を分析する「開発経済学」を学ぶことになりました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

国際公務員/商社/プラント/海外事業展開に積極的な日本企業/海外支援活動のNGO/外資系企業

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小松 悟 先生がいらっしゃる
長崎大学に関心を持ったら

 長崎大学は、出島を介した『勉学の地』としての誇りと『進取の精神』を受け継ぐとともに、宗教や科学における非人道的な負の遺産にも学び、人々が『平和』に共存する世界を実現するという積極的な意志の下に教育・研究を行います。そして、蓄積された『知』を時代や価値観を越えて継承し、人類を愛する豊かな心を育て、未来を拓く新しい科学を創造することによって、地域と国際社会の平和的発展に貢献します。

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