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講義No.07330

食物アレルギーと現代社会

アレルギーを起こすのは免疫反応

 アレルギーとは簡単に言えば「免疫反応の異常」です。免疫とは異物を体内に摂取した時に、プラスになるものは受け入れ、マイナスになるものは排除するという人間本来が持っている機能です。実は食物というのは本来人体にとっては異物です。しかし、正常な免疫反応であれば、異物でも栄養になるものや体の害にならないものは受け入れるのですが、何らかの原因で特定の食物に拒否反応を起こすのが「食物アレルギー」です。食物アレルギーの恐ろしさは、食物自体に毒性があるわけではないことです。普通に食べている食物が、特定の人にとってはアレルゲン(アレルギーの原因物質)となり、症状を引き起こすのです。

皮膚からも吸収されるアレルゲン

 アレルゲンとなる食べ物は、直接食べるだけでなく、気づかないところで加工品に含まれていることもあり、自衛することが難しくなっています。また、食べ物として摂取するだけでなく、化粧品などに含まれる食品成分を皮膚から吸収することでアレルギーを発症することもあり、これを経皮感作(けいひかんさ)と言います。洗顔石けんによる小麦アレルギーの症例は、大きな被害を出し訴訟問題にまで発展しました。

誰にでもアレルギー発症の可能性はある

 品種改良や加工によりアレルゲンが増加したり、食生活習慣が影響することも多く、食物アレルギーの研究は免疫学だけでなく社会学や食品学など複合的に取り組んでいく必要があります。皮肉なことに、世の中が便利に豊かに、清潔になればなるほどアレルギーが増えています。
 例えば野菜や果物は消費者のニーズに合わせて品種改良や栽培が行われ一年中なんでも食べられます。しかし一方では害虫に対する耐性を高める改良をしたために、アレルゲン性が高くなる可能性も否定できません。食物アレルギーは一部の人の特別な病気ではありません。誰もがある日突然発症するかもしれない身近な病気なのです。

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この学問が向いているかも 免疫学、社会学、食品学

北海道文教大学
人間科学部 健康栄養学科 教授
板垣 康治 先生

先生の著書
メッセージ

 私が教えている人間科学部を卒業した生徒たちは、管理栄養士や理学療法士、看護師などの道に進んでいます。本学科の卒業生たちのつよみは、現場に出て直面する食物アレルギーの問題に対応できる知識があることです。いまや食物アレルギーは医療分野のみならず教育分野や食に携わる専門職に欠かせない知識です。これは即戦力として大変価値があるポイントとなります。
 実は北海道は食物アレルギーの発症率が全国1位です。日々情報が更新される現場で、食物アレルギーについてじっくり学んでみませんか。

先生の学問へのきっかけ

 最初から免疫学やアレルギーの研究をめざしていたわけではなく、高校卒業後は、水産加工などを学ぶため水産系大学へと進学しました。たまたま就職した食品会社で、医薬品開発に携わり、バイオテクノロジー分野を勉強したのです。
 20年勤めた会社を辞めたあとは、食品学のほかに基礎医学や栄養学などさまざまな分野を学びました。そんな中、官公庁でアレルギー対策のプロジェクトに携わり、本格的に食物アレルギーの研究を進めることになりました。その時に改めて自分の学問の背景には「食物」があると気づいたのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

栄養教諭/病院専門職/高齢者施設専門職/保育園専門職/食品会社営業職/食品会社技術職/医療機器メーカー営業職/医薬品メーカー営業職/財団研究職/大学院進学

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板垣 康治 先生がいらっしゃる
北海道文教大学に関心を持ったら

 北海道文教大学は国際言語・健康栄養・理学療法・作業療法・看護・こども発達の2学部8学科からなり、「実学」「教養」「国際」「地域」という4つのキーワードを掲げた大学です。人と向き合う。人とふれあう。人を学ぶ。人を理解する。それは、あなた自身を磨き、深め、未来のあなたの価値を高めていくことです。時代が移り変わっても、よりよい世界をつくる基本は、人を思い、人に役立とうとする心と行動です。本学は「人」を真ん中に位置づけた学びをとおして、高度な専門知識や技術でけでなく、向上心に富んだ人間性を育成します。

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