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講義No.06946

鳴き声で、犬の気持ちってわかるの?

犬は「鳴き声」を道具として使う

 犬は狼に比べると大変よく吠える動物です。これは、一緒に暮らす人間が音声でコミュニケーションをとる生き物だからと考えられています。犬が、「音声は人を動かすのに効果的だ」ということを学習すると、「鳴き声」を道具として使うようになります。犬が鳴き声をある程度「意図的」にコントロールできる証拠に、「吠(ほ)えろ」というコマンド(命令)で吠えるように教えることができます。こういう哺乳類は人以外では大変珍しいのです。

「吠え」に悩む人が増えている

 「吠え」は放置しておくと深刻な問題につながります。近所迷惑になりますし、飼い主を一晩中呼び続け、喉を痛めてしまう犬さえいます。近年は吠えに悩む飼い主が増えましたが、これは犬を屋内で飼う習慣が根付き、人間の行動が犬に影響を与えやすくなっているからかもしれません。人は犬が鳴き声を出すとどうしても反応してしまいますし、玄関の呼び鈴や目覚まし時計の音に対して無意識に反応してしまいます。人が反応するとわかると、犬もその音に反応するようになります。その結果、吠えがエスカレートしていくこともあります。

動物の感情は単純化できない

 犬も完全に音声をコントロールできているわけではなく、例えば濁った低い鳴き声は攻撃的、澄んだ高い鳴き声は友好的または服従と、感情を垣間見ることができます。そういう意味では鳴き声により犬の気持ちを知ろうという方向性は間違っていません。しかし人間は「ウーワンワン=怒っている」「クンクン=寂しい」のように、動物の感情を単純化して考える傾向があります。しかし現実には、そのようなことはまずありません。例えば尻尾を振っている犬に手を出して噛まれることがありますが、あれは服従的な行動を取りながら背後には怖さや攻撃的な情動も混じっており、そこに手を出されたから攻撃したのです。このように動物の気持ちは、混じり合った複雑なものなのです。鳴き声から犬の気持ちを知ろうとする時には、以上のようなことに気をつける必要があります。

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この学問が向いているかも 動物行動学

帝京科学大学
生命環境学部 アニマルサイエンス学科 教授
藪田 慎司 先生

先生の著書
メッセージ

 最近の風潮として、常に「正解することを求められてきた」せいか、「間違うことを極度に恐れる人」が増えている気がします。しかし学問は間違いを繰り返すことで進んでいきます。もっと間違いを愛してください。
 それから、大学は友だちを作る場でもあります。高校だと趣味の合う人はクラスに1~2人いればよい方ですが、大学は、自分と同じことに興味があり、それを好きな人が何十人と集まります。そんな密度が濃い空間の中で、思いきり好きなことを語り合い、行動し、楽しんでほしいと思います。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃から動物が好きで、飼い犬とともに野山を駆け巡っていました。中でも高校時代に飼っていた犬とは強い信頼関係で結ばれ、呼べばどんなときも駆けつけてくれるようになりました。そんな私が動物行動学を志したのは、動物生態学者コンラート・ローレンツの『ソロモンの指環(ゆびわ)』という本を読んだことがきっかけでした。動物が何をするのかじっくり観察するのは性(しょう)にも合っているし、ほかの動物を知ることで、人間を相対化し、より深く知ることができる、それが動物を研究する意義だと思います。

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藪田 慎司 先生がいらっしゃる
帝京科学大学に関心を持ったら

 先進の設備が揃う千住キャンパス、自然を教材に研究できる東京西キャンパス。2つのキャンパスで、動物・自然・健康・医療・福祉・教育のキーワードをもとにいのちの尊さを学びます。
 生命環境学部・医療科学部・教育人間科学部の3学部13学科を擁する総合大学として、動物介在療法やアニマルセラピー、ロボット介在教育など、本学ならではのユニークな教育・研究が進められています。

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