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講義No.05523

太陽光エネルギーが明るい未来をつくる!

東日本大震災以降注目を浴びる太陽電池

 2011年の東日本大震災以降、太陽光エネルギーが注目を浴びています。太陽光は地球上にいる限り無料で半永久的に供給されるエネルギーです。日本では1970年代の「サンシャイン計画」以降、腕時計などの小型電池や民家の屋根に設置して給湯などに使われるソーラーパネルの開発などの太陽エネルギーの利用が進められてきました。2000年代に入って発電に使えることが注目されはじめ、ことに震災による原子力発電所の事故、その後の放射能汚染などにより、原発による電力の供給が危ぶまれ、それに代わる環境にやさしく安価な発電方法として太陽電池がクローズアップされてきています。

自然との調和をめざして

 既存の太陽電池から進化した次世代太陽電池の開発が、大学や研究機関などで進められています。未来型の太陽電池に望まれることの一つは自然との調和です。例えば緑豊かな山に従来型のソーラーパネルを設置すると、日光を遮断して植物の成長を妨げ、事故などで落下したときは植物を傷めてしまう危険性もあります。次世代型太陽電池の一つに「有機薄膜太陽電池」というフィルム状の薄い膜に太陽光を吸収する有機半導体を印刷する形でつくったものがあります。これだと植物の栽培に必要な日光を透過させ、軽いので植物と共存しながらエコでクリーンな発電の場所が確保できるというわけです。

燃料や食糧問題への活用も期待

 発電した電気を電池などの形で貯蔵するのは限界があります。いざというときのために燃料という形で蓄えておくためには、太陽光を使って植物が光合成するときの反応をモデルに、太陽光エネルギーを水素燃料などに変換して貯蔵する人工光合成システムの研究が注目されています。また光合成の促進技術を用いて薬草などの高付加価値の植物やオイルを生成する藻類を育てる植物工場などの研究も進められています。21世紀の問題としてエネルギー、食糧、環境がよく挙げられますが、太陽光をうまく使えば問題解決の糸口が見え、明るい未来が訪れるかもしれません。

参考資料
1:太陽光エネルギー変換技術とグリーンデバイス

夢ナビライブ2019 東京会場

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太陽電池と光合成の違い

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アインシュタインのおかげで太陽電池が誕生

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太陽光から電力を得る仕組み

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講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 電気電子工学、太陽エネルギー変換工学

公立諏訪東京理科大学
工学部 機械電気工学科 教授
渡邊 康之 先生

先生の著書
メッセージ

 私は太陽光エネルギーの利用法を研究しています。例えば「有機薄膜太陽電池」という軽くて折り曲げられ、落としても割れない次世代の太陽電池を作っています。このような未来の世界に向けた研究をするにあたって何が大事かというと、まず情熱を持って何か目標に立ち向かうこと、またエネルギーや環境を扱うには物理や化学、生物などに関わりますので、いろいろな分野に興味を持ち、得意分野を持つことが大事です。大学に入って自分の得意なこと、好きなことを探して未来につなげていってください。

先生の学問へのきっかけ

 高校2年の夏休みに、本屋で『ソーラー・エネルギー』という本を手に取ったのが、今の研究分野に進んだきっかけです。本には、未来の技術として植物の光合成を利用した太陽エネルギーのあり方が紹介されていました。それ以降、このことが頭から離れず現在に至っています。大学は本の著者の谷辰夫(たに たつお)先生がいる東京理科大学の電気工学科に入り、半導体の勉強を中心に化学や生物を独学で勉強しました。自然の神秘である光合成に学びながら、工学的に利用する技術を開発することが私の人生の夢です。

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渡邊 康之 先生がいらっしゃる
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 公立諏訪東京理科大学は、地域に貢献すると共に世界にも羽ばたく人材を育てることを目標として、2018年4月にスタートしました。日本有数のものづくり産業の集積地である諏訪地域の特長を生かした機械電気工学科と、今後のものづくりの環境を大きく変化させるAI、IoTなどの情報通信技術の力を発揮する情報応用工学科の2学科を置き、「ものづくりと情報通信技術の融合」を目指した教育と研究を推進します。さらに、「工学と経営学の融合教育」で、工学に加えてマネジメントを学ぶことにより、総合的な力や判断力を身につけます。

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