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講義No.03680

飛行機のサイズを昆虫のように小さくすると、どんな形が適しているの?

あるサイズ以下では突然飛ばなくなる飛行機

 最初に少し大きな模型飛行機を一つ作ります。これはきちんと飛ぶことを確認しておきます。それとまったく同じ形状の飛行機を、サイズを少しずつ小さくして作っていくとどうなるでしょうか。あるサイズより小さくなると、急に飛ばなくなってしまうのです。もちろん模型とはいえ、きちんと飛行機の形をしたものです。翼にはしっかりと厚みを持たせ、コンパクトサイズとはいえ形も流線形に仕上げています。だからこそ最初は飛ぶのです。ところがあるサイズ以下では飛ばなくなります。逆に、紙を曲げたり貼り合わせた薄い板のような翼を持った紙飛行機はすいすいと飛びます。これはとても面白い現象です。

トンボの翅と飛行機の翼の違い

 ところで空を飛ぶのは、飛行機だけではありません。鳥やトンボなどの昆虫も飛んでいます。では、トンボの翅(はね)と飛行機の翼を比べてみたら、どんな違いがあるでしょうか。
 飛行機の翼の断面形は極めて滑らかな流線形で、厚みもしっかりとあります。一方、トンボの翅は、飛行機とはまったく異質です。その断面形は飛行機の滑らかさはなく、薄くてでこぼこした波形に折れ曲がっています。でも、トンボは大変高性能です。こうした違いは、飛行機とトンボではサイズと飛ぶ速さが異なることから生じます。

飛翔体のまわりの空気の振る舞いが変わる

 飛行機のように大きなものが高速で飛ぶ場合と、トンボサイズのものがゆっくり飛ぶ場合とでは、そのまわりを流れる空気の振る舞いが変わってくるのです。飛行機のまわりにある空気は非常にさらさらとしています。ところが昆虫のように小さな物体のまわりの空気はとても粘っこいのです。この空気の性質の違いを流体力学では「レイノルズ数」という指標を使って表します。
 翼を使って何かを飛ばそうと思えば、そのサイズと飛ぶ速さからレイノルズ数を割り出さなければなりません。その上で、各レイノルズ数に最適な翼の形を設計する必要があるのです。

夢ナビライブ2018 名古屋会場

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翼型の違い

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レイノルズ数と流れ

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コガネムシの飛行に学ぶ最近の研究

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講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 飛行力学、航空流体力学、航空工学

金沢工業大学
工学部 航空システム工学科 教授
岡本 正人 先生

メッセージ

 子どもの頃から模型飛行機を作ることが大好きでした。それが結果的には、今の研究テーマにつながっています。きっかけは学生時代です。当時、形としては会心の飛行機を作ったのに、なぜか飛びませんでした。それが不思議でならなかったのです。なぜだろうと調べていく中で、たどり着いたのが飛行機のサイズです。そこから飛行機以外の飛ぶもの、例えばトンボなどの昆虫の翅(はね)にも興味を抱くようになりました。学問への入口はどこにでもあります。自分の興味や好奇心から進んだ学問分野なら、きっと一生のテーマが見つかるはずです。

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岡本 正人 先生がいらっしゃる
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 金沢工業大学では、講義等で「知識を取り込み」、それを仲間との実験・演習の中で「思考・推論」し、組み替え結びつけることで「新たな知識を創造」し、その成果を「発表・表現・伝達」する独自の学習プロセスを全科目で導入しています。さらに高度な研究環境の中で産学協同による教育研究を実践するとともに、夢考房など知識の応用力を高める多彩なフィールドを実現することで、獲得した知識を知恵(応用力)に転換できる「自ら考え行動する技術者」を育成しています。

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