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講義No.03107

これからの理学療法は「治す」がキーワード

東洋医学に通じる理学療法

 理学療法士と鍼灸(しんきゅう)師は、どちらも医療や福祉、スポーツなどの分野において注目が集まる国家資格です。では、この二つはどう違うのでしょうか?
 「鍼灸師」は、鍼(ハリ)と灸を使って身体に刺激を与えることにより、自然治癒力を高めて苦痛を軽減する専門職です。一方、「理学療法」は、運動指導をおこなう運動療法と電気・温熱治療のような物理療法によって、身体機能の回復をめざすリハビリテーションの専門職で、“フィジカルセラピスト”とも呼ばれます。鍼灸は東洋医学、理学療法は西洋医学に基づくものですが、理学療法では障がい回復の手助けをするために患者さんの基本動作を正していくので、東洋医学に通じる面も多くあります。

ツボ+理学療法の新しい技術

 例えば、鍼灸の理論を理学療法に応用した「経穴刺激理学療法」。これは、経穴(けいけつ=ツボ)を指で刺激することで、そのツボに関係する筋肉の状態を改善させる療法です。ケガや病気のあと、身体をうまく動かせないのは、筋肉の緊張あるいは弛緩によるところが大きいのですが、その筋肉に直接刺激を与えるのではなく、離れたところにあるツボを圧迫刺激するのです。ツボを押しながら筋肉を動かしたり、刺激と運動を組み合わせることで、理学療法の技術がより発展すると期待されています。

求められるのは「治せるセラピスト」

 もう一つ、理学療法における新しい技術として、「臨床動作促通法」が注目されています。促通(そくつう)とは患者さんの動きを誘導することです。“介助”と同じようにとらえがちですが、アプローチが異なります。この技術で大切なのは、患者さん自身の運動能力をいかに引き出すか。治療者が効果的に手や身体全体を使うことで、患者さんの動作を自然に誘導します。患者さんにとっては、ごく自然に「自分で動かせた!」という感覚が持てるため、より良いリハビリ効果が得られるのです。
 今後の理学療法には、このような治療技術を身につけた「治せるセラピスト」が求められることでしょう。

夢ナビライブ2019 大阪会場

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障害を「治す」ことが大切

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ツボ押しの効果

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患者を動かすテクニック

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この学問が向いているかも 理学療法学

関西医療大学
保健医療学部 理学療法学科 教授
鈴木 俊明 先生

先生の著書
メッセージ

 私は、ある先生が歩けない患者さんを一生懸命歩けるようにしようとしている姿を見て、理学療法士になりたいと思いました。近ごろは、「理学療法士」という名前だけに憧れてこの道を選ぶ人が多いような気がします。理学療法士になるための勉強はとても厳しいものです。興味のある人は、まず病院やクリニック、デイケアセンターなどへ行き、現場を見ることを勧めます。ぜひ強い意志と覚悟を持って進学してください。また、学べることは学校によって少しずつ違います。どこで何が学べるのか、事前にきちんと調べておきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 高校を卒業した頃、病院で動き回って一生懸命に患者さんの治療をしている人を見かけました。その人に職業を尋ねると、返ってきた答えが「理学療法士」でした。当時は、理学療法士が全く知られていない時代でしたが、患者さんのために献身的に働くその姿を見て、「理学療法士になりたい」いや、「なろう!」と決意したのです。そして、関西医療大学の教員として、東洋医学、特に鍼(はり)刺激の効果に関する研究を行い、鍼灸の利点を理学療法に応用した「経穴刺激理学療法」を開発し研究を続けています。

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鈴木 俊明 先生がいらっしゃる
関西医療大学に関心を持ったら

 関西医療大学では「看護師」「保健師」「助産師」「理学療法士」「臨床検査技師」「はり師・きゅう師」「柔道整復師」の国家試験合格をめざし、2学部5学科の学生が同じキャンパスで学んでいます。学科の枠を超えた交流を通して、異なる職種・業種への理解が深まり、チーム医療に携わる者としての素地が培われます。2018年4月には、国内外で幅広く活躍できる作業療法士をめざす「作業療法学科」を開設。次代の医療を見つめ、進化を続ける本学なら、あなたが思い描く未来をきっとカタチにできるはずです。

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