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講義No.00509

透明人間になれる日がくる?

科学技術の新領域

 映画やアニメなどでしばしば登場する「透明マント」。幼い頃に憧れた経験がある人もいるでしょう。超微細加工技術(ナノテクノロジー)を使えば、こんな夢のようなマントが現実になるかもしれません。
 現在、分子・原子サイズの“ナノメートル(1mの10億分の1)”の単位で、あらゆる物質の加工を可能にするナノテクノロジーが注目を集めています。ナノレベルで物質を操作すると、形が変わったり、動いたり、固さが変化したりするなど、新しい物理現象が起こります。その特性を利用して、今までにない新しいものを生み出すのがナノテクノロジーなのです。例えば、コンピュータや携帯電話に使われる大容量の記憶装置、遺伝子治療に使われるDNAなど、現在はさまざまな分野での応用が研究されており、ナノテクノロジーによる新しい産業、新しい社会の創造が期待されています。

ナノテクノロジーで“夢の未来”を

 私たちが物を見ることができるのは、電磁波の一種である可視光線が物体に当たって反射し、目がその反射光をとらえるからです。この反射をなくして何もないように見せる、というのが透明マントのメカニズムです。そこで、目に見える光の屈折とその方向を操り、光を自然界ではあり得ない方向にねじ曲げることによって不可視にしてしまおうというのです。このような人工素材を「メタマテリアル」といいます。まだ、これを用いた透明マントはできていないのですが、ナノテクノロジーを応用した反射防止構造はできています。これは、モス・アイ(蛾の目の意味)構造と呼ばれて、ナノオーダーの突起が並んだ構造になっており、ここに光が当たると反射しなくなります。これを携帯電話の画面やテレビの画面に貼り付けておけば、太陽光や蛍光灯などの映り込みが無くなり、より鮮明に映像が見えるようになります。
 ナノテクノロジー研究は、先進国の国家戦略として位置づけられています。近い将来、本当に周囲の風景と同一化して見える物質ができる日がくるかもしれません。

夢ナビライブ2019 東京会場

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この学問が向いているかも 基礎工学部

東京理科大学
基礎工学部 電子応用工学科 教授
谷口 淳 先生

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メッセージ

 日本はものづくりの国です。日々進化し便利になっていく携帯電話、テレビ、電化製品はほとんど日本製のものです。また、これらの製品は世界中に広まり、日本製は品質が良いことで人気と信頼を得ています。ここまで来るには、常に最先端の技術と創意工夫の積み重ねがあったからであり、その究極の形としてナノメートルオーダーでのものづくり、「ナノテクノロジー」があります。本研究室では、今後も日本がものづくりで最先端を走ることができるように新しい技術の創出に取り組んでいます。

先生の学問へのきっかけ

 小学生の頃に読んでいた科学雑誌に、「半導体集積回路」という言葉が載っていたり、「エレクトロニクス」という用語が盛んに使われたりしていました。また、日本はエレクトロニクス業界で頑張っているということもよく耳にしていました。大学に入ってからは、エレクトロニクスは「ナノテクノロジー」によって支えられていることを知り、また、「ナノテクノロジー」という言葉は、東京理科大学の谷口紀男(たにぐちのりお)先生が世界で初めて作ったということを知って、「ナノテクノロジー」の業界にいっそう興味を持つようになりました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

半導体メーカー生産技術開発、自動車メーカー開発、部材メーカー開発、食品会社生産技術、システム会社システムエンジニア

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谷口 淳 先生がいらっしゃる
東京理科大学に関心を持ったら

 東京理科大学は8学部33学科、大学院11研究科30専攻を擁し、理工系のほぼ全ての分野を網羅する理工系総合大学として、多方面わたる科学技術者や研究者、理数系教員を輩出しています。教育面では、実力を備えた学生を卒業させる「実力主義」の伝統を受け継ぐとともに研究力・人間力・国際力を育んでいます。研究面でも30を超える研究センター・部門等があり最先端の研究が活発に行われている他、国公立や民間の試験研究機関との連携大学院協カなどを行っています。

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