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講義No.09326

全国に最低でも54万人! なぜ日本人は「ひきこもる」のか

日本特有の社会問題

 「ひきこもり」とは、6カ月以上、家族以外と社会的な関わりを持たない状態のことをいいます。「ひきこもり」という表現は1980年代に生まれ、2000年に入ってから広まりました。日本では社会問題になっていますが、海外での事例はそれほど多くなく、日本特有の現象ともいえます。英語表記も「HIKIKOMORI」で、「sushi(寿司)」と同様に、世界の共通語として認知されています。

潜在する中高年者や女性のひきこもり

 ひきこもりは全国に最低でも54万人いるとされます。「最低でも」とつく理由のひとつは調査方法にあります。内閣府による調査ではひきこもりの対象を15~39歳としてきました。しかし近年の研究では中高年が増加傾向にあるとされ、その数は増大すると見込まれています。また、表出しているひきこもり者の7割が男性であることもポイントです。調査の際、女性の場合は「家事手伝い」を理由にカウントされないケースがあり、それが男女比に表れていると想定されます。こういった背景を受け、2018年度の調査からは対象年齢の拡大が決まっており、結果次第ではこの分野の研究も大きく舵を切ることになるかもしれません。

ひきこもりと日本の文化・社会的影響

 HIKIKOMORIという英語表記に表されているように、ほかの国にはみられない日本の特有の現象であるととらえることができます。このことからひきこもりは生物学的な要因から発生するものではなく、諸外国にはない日本の文化社会的な要因が原因として考えられるわけです。これらを明らかにすることがひきこもりの予防や支援にとって重要です。ひきこもりが日本で起こりやすい要因については現在も多くの人が研究していますが、少子高齢化が急速に進む日本においては、自殺率低減、働き手の確保、税収拡大など、さまざまな面でひきこもりの解消が急務となっています。


この学問が向いているかも 社会福祉学、精神保健福祉学、精神医学

岩手県立大学
社会福祉学部 社会福祉学科 准教授
川乗 賀也 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 あなたの進むべき方向性が明確なのであれば、そこに進学するための勉強をしてください。まだ、方向性を模索しているのであれば、ぜひ社会福祉系の問題を題材にした本、Webなどの記事を読んで情報をインプットしてみることをお勧めします。
 またどちらの場合でも「机に向かう習慣」は非常に大事です。机に向かって勉強をする、本を読むなど、長い時間を費やすというよりは、まずは机に向かうということが大切です。それを習慣化することは受験だけでなく、その先の人生においてもあなたの役に立つはずです。

先生の学問へのきっかけ

 ひきこもりに関して、正直に言えば最初は関心のあるテーマではありませんでした。もともと精神科で精神保健福祉士として働いていたのですが、その時の上司にあたる先生の手伝いをすることになったことがきっかけでひきこもりの研究をスタートしました。すると研究を進めるにつれてやりがいを感じ、よりエキスパートとしての知見を広げたいという思いが強まり、それからは自分のメインテーマとして研究を続けています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

精神科病院/社会福祉事業団/一般企業など

大学アイコン
川乗 賀也 先生がいらっしゃる
岩手県立大学に関心を持ったら

 大学は「知識」を得る場であるだけではなく、「人生の目的」を考える場であり、これからの人生で自分は何をなすべきかを探求する場でもあります。人はそれぞれ固有の素質と能力を持っています。それをいかに見出し、育成していくかが教育の最大課題であると考えています。この大学での貴重な学習期間に、自己の能力と個性を伸ばし、適性を見出すことに努めてください。本学の教職員は、全力を挙げてこれに協力します。

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