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講義No.09233

地域住民にも、観光客にも喜ばれる「まちづくり」の手法とは

観光地を再生するためにすべきことは?

 全国各地の寂れた観光地の再興計画として、どんなプランが考えられるでしょうか? 「建築デザイン学」では、新しい建物を作ったり街並みの一部を変えたりすることで、「まちを元気にする」手法を研究します。しかし外観だけを新しくしても、そこに暮らす人々や観光客などに受け入れられなければ、手間とコストをかける意味がありません。十分な下調べや、住民からのヒアリングなどが必要なのです。

歴史や伝統を生かして観光客をひきつける

 観光地再生の成功例として、佐賀県鹿島(かしま)市の「肥前浜宿(ひぜんはましゅく)」があります。ここは、有明海に面する漁師町で、長崎街道沿いの宿場町、佐賀平野の米を生かした醸造町として発展しましたが、少子高齢化と共に、建物の老朽化も進んでいました。
 約20年前、まちの人たちが立ち上がり、古い酒蔵を生かしてイベント会場にしたほか、旧武家屋敷を修繕するなどで、酒蔵を中心としたまちづくりを推進しました。白壁の蔵や茅葺(かやぶ)き屋根の屋敷などが残っていることから、「重要伝統的建造物群保存地区」にも選定されました。通称「酒蔵通り」に、花や伝統工芸品の陶器を飾ったり、著名なピアニストを招いて酒蔵コンサートを開催したりして、話題作りにも力を入れました。その結果、恒例の観光イベントでは2日間で約9万人が訪れるなど、観光客ゼロのまちから春・秋の休日には多くの観光客が訪れるようになりました。

発想力と総合的な判断力でまちを元気にする

 近年、地域の歴史や文化、自然を生かすまちづくりが進められています。また、新しい起業家を誘致したり、駅などの人が集まる地点を中心に新たな「にぎわいの場」を生み出すことも行われつつあります。
 いずれにせよ、まちを元気にするには、まちのよさをどう引き出すか、住民ニーズをどのように反映させるか、観光地への集客の仕掛けをどうするかなどを、総合的に判断しなければなりません。そこが、建築・都市デザイン学の難しさであり、やりがいでもあるのです。

建築×まちづくりデザインが生活を変える

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なぜ建築×まちづくりが必要なのか?

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改築によるまちづくり

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講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 建築デザイン学、都市デザイン学

佐賀大学
理工学部 理工学科 都市工学部門 教授
三島 伸雄 先生

メッセージ

 あなたは最近、どこか遠方に出かけましたか。初めて訪れる場所に行く時は、目的地のまちの歴史や特徴などを事前に調べておき、関連する事柄を探したり、地元の人たちに話を聞いたりすると、旅行の充実度がグッと高まります。
 特にあなたが、建築を含む「まちづくり」や「都市デザイン」の分野に興味があるなら、まちのよさに気づき、それを引き出す「目」を養うことはとても大切なことです。さらに、人と話をするのが好きで、絵を描いたり鑑賞したりするのも好きなら、その感性を都市デザイン分野で生かしてください。

先生の学問へのきっかけ

 父が設計事務所を経営していた影響で、子どもの頃から模型を作るのが大好きでした。いろいろなものを作った中で、大阪万国博覧会のシンボルだった「太陽の塔」の模型が一番印象に残っています。大学では建築関連を学ぶ、都市工学科に進学しました。広島の原爆ドーム周辺や大阪万博の整備などに携わっていた教授の研究室に所属したのがきっかけで、「都市デザイン」「建築デザイン」分野の研究に専念するようになりました。まちづくりに関わる時は、何度も現地に足を運び、地元の人たちの声を聞き、場所や空間が語ることを読み取ります。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

建築設計事務所/都市計画コンサルタント/官公庁/ハウスメーカー/ランドスケープ/不動産

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三島 伸雄 先生がいらっしゃる
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 佐賀大学は、教育・芸術地域デザイン・経済・医・理工・農の6学部からなる総合大学です。キャンパスは本庄地区と鍋島地区に分かれ、どちらも緑溢れるのどかな環境にありながら、九州の中心地である福岡へJRで約30分で行けるアクセスの良さです。本学は学生生活から就職活動、さらには就職後まで「面倒見の良い」教育を進め、卒業生が愛校心を持ち続ける教育を実践し、学生に選ばれる大学をめざしています。研究面においては、産官学共同研究を中心に、中央の大きな大学にも負けない特色ある研究テーマへの取組みを推進しています。

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