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講義No.08419

子どもの未来を育む、「教育恊働人材」とは

新たな教育のキーワードは「恊働」

 教育には、学校で先生が生徒に教えるものというイメージがあります。この教育のあり方が、大きな転換期を迎えています。現在、教育現場ではいじめや不登校など、教員だけでは対応しきれない課題が山積しています。文部科学省の中央教育審議会は今後の教育活動について、「教師だけではなく地域住民などと連携し、学校だけではなく地域も学びの場とする」という答申をまとめました。教師という専門性を生かしながら、地域や社会の人的資源をつなぎ、共に子どもたちの「生きる力」を育む方向に転換しているのです。

学校と地域がつながり、互いに学び合う

 地域には、高齢者が登下校の子どもたちを見守るボランティア活動を行っているところがあります。教師が、「子どもたちの生命が地域の人たちにも大事にされ、守られていること」を伝えると、子どもたちは自分の存在意義や自己肯定感を得ることができます。そして、今まで「大変」「かわいそう」などと思っていた高齢者への見方が変わり、感謝や尊敬の気持ちで接することで、高齢者自身も生きがい、やりがいを見出すきっかけになります。このように学校と地域が互いに支え合い、学び合える仕組みを提供して、双方に「WIN−WIN」の関係を築いていくことは、地域力の向上にもつながっていくと考えられます。

福祉や心の専門家と協働する

 子どもが不登校となる原因には、保護者や家庭に問題のあるケースも多く見られます。子どもの心のしんどさに対しては、心理学的に寄り添うスクールカウンセラーなどのケアが必要です。保護者の疾患や家庭の貧困などに対しては、地域福祉の専門家であるソーシャルワーカーによるサポートが重要となります。
 子どもを取り巻くさまざまな課題に取り組むには、先生という教育のプロをはじめ、心理や福祉などのプロとの連携もポイントと言えます。これからの教育活動において、 「恊働」を実践できる人材の育成が、重要かつ必要不可欠な課題となっているのです。

子どもたちの未来を育む教育協働人材になる

夢ナビライブ2017 大阪会場

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この学問が向いているかも 教育学、社会福祉学

大阪教育大学
教育学部 教育協働学科 教授
新崎 国広 先生

先生の著書
メッセージ

 「人は必要とされることを必要とする」とは、心理学者のエリック・エリクソンの言葉です。人は誰かに必要とされた時、生きる力が出てきます。あなたは今、自分が勝つために、周囲と競争する勉強にしんどさを感じているかもしれません。大学は、自分ひとりではなく、教師や学生・地域の人とつながり、競争ではなく協働しながら学んでいく場です。
 なかでも教育や福祉は、共に希望を語り合い、みんなの幸せに貢献する学問です。自分が相手に必要とされる喜びでモチベーションを高め、みんなで学びを楽しみましょう。

先生の学問へのきっかけ

 映画と演劇が大好きで、演じる際に社会福祉の知識が役立つのではないかと考え、大学では社会福祉学を学びました。
 2年生の時、児童相談所内の一時保護所で約2カ月間ボランティアとして、子どもたちと寝食を共にしました。実際に子どもたちと関わってみると、彼らが保護されたのは、保護者側に問題があるケースが多く、その気づきが現在の研究分野に興味を持つきっかけになりました。
 卒業後、肢体不自由児施設で21年間、福祉ソーシャルワーカーとして勤務した後、大学の教員として、常に現場で福祉と教育に携わってきました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

地方公務員(生活保護ケースワーカー、児童福祉司、教育委員会など)/スクールソーシャルワーカー/銀行員/関西経済連合会総務/日本赤十字社大阪府支部ボランティア課

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新崎 国広 先生がいらっしゃる
大阪教育大学に関心を持ったら

 本学は、我が国の先導的な教員養成大学として、教育の充実と文化の発展に貢献し、とりわけ教育界における有為な人材の育成をとおして、地域と世界の人々の福祉に寄与する大学であることを使命としています。この使命を達成するため、実践的な教職能力を養う優れた教員養成教育を推進し、豊かな教職能力を持って教育現場を担える学校教員を育成するとともに、学術と芸術の多様な専門分野で総合性の高い教育を推進し、高い専門的素養と幅広い教養をもって様々な職業分野を担える人材の育成をめざしています。

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