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講義No.07734

グローバル化する世界経済の中での日本の立ち位置は?

日本は加工貿易で成り立っている国?

 日本は主に「加工貿易で成り立っている国」、という印象を持っているのではないでしょうか。海外から資源を輸入し、それらを製品に加工して輸出しているというイメージです。ニュースや教科書などで見かけることの多かった、貨物船に積まれる輸出用の自動車が港にずらりと並ぶ映像や写真は、そうしたイメージを象徴するものでした。

アメリカのIT産業も、事業を海外委託

 しかし最近の日本では、加工貿易の占める割合は少なくなっています。経済のグローバル化にともない、中国や東南アジア諸国など海外で生産を行う日本企業が増えました。また、こうした国際分業にともなって、製造業の会社といっても、広い意味でサービス業的な仕事が増えてきています。
 この傾向は、ほかの先進国でも同様です。例えば、アメリカのIT関連企業の多くが、国内で生産するのではなく、インドの企業にソフトウェアのプログラミングの仕事を外注しています。英語を公用語とし、教育水準も高いインドは、こうしたITの仕事に優位性があると言えます。ソフトウェアは海外で生産し、それを活用したサービスをアメリカ本国の企業が提供するという構図です。

貿易収支は黒字がいいとは限らない

 人、モノ、そして情報が活発に行き来するグローバル経済では、国家間の垣根が以前より低くなっていることは確かです。それでもある程度の地域差は残り続けるでしょう。これからの日本の経済は、コスト面よりも品質や満足感など、さまざまな付加価値を持つ商品やサービスを展開することで、一定の存在感を保ち続けることになるのかもしれません。その場合、国の貿易収支が黒字になるかどうかという点は、必ずしも重要なことではありません。国内でひたすら節約した結果としての黒字より、自ら進んで選択した経済活動が国内で行われた結果として少々の赤字を続けられるのであれば、深刻な問題ではないとも言えるのです。

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この学問が向いているかも 国際経済学

一橋大学
経済学部  教授
冨浦 英一 先生

メッセージ

 将来の進路について考える時に、科目の名前やそこから来るイメージにはあまりこだわらないようにした方がいいと思います。それよりも、自分自身が関心を持っていることや、好きなこと、得意なものを生かせるような分野は何だろうと考えて、その道を選ぶようにしてください。それがきっと将来に後悔しない、実りの多い結果につながると思います。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃、国語や理科があまり得意ではなかったのですが、歴史や地理には興味があり、数学は得意でした。こうした自分の興味や得意分野を生かせる道は何だろうと考え、「経済学」を学ぶことを選択しました。その中でも統計学を使った「計量経済学」を学び、そこで培われたノウハウを国際経済学の研究に応用するようになりました。
 膨大な量のデータを集めて整理し、そのデータを統計学で検証すると、そこに何らかの規則性が浮かび上がってくる面白さがあります。それが今の実証的な研究の醍醐味です。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

商社/金融/IT/公務員など

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冨浦 英一 先生がいらっしゃる
一橋大学に関心を持ったら

 一橋大学の大きな特色として、まず第1に挙げられるのは、我が国で最も伝統のある社会科学の総合大学として、常に学界をリードしてきたという長い歴史と実績、並びにこの伝統を受け継ぎ、人文科学を含む広い分野で、新しい問題領域の開拓と解明を推進する豊富な教授陣に恵まれていることです。第2は、商学部・経済学部・法学部・社会学部の垣根が低く、学生は各学部の開設科目を自由に履修することができます。また、10人から15人程度の少人数で行われているゼミナール制度(必修)を核とする少数精鋭教育も本学の特色のひとつです。

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