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講義No.07728

「ヒトiPS細胞」を利用した創薬開発における最前線の研究とは

ヒトiPS細胞の応用が課題に

 ヒトiPS細胞は、体のいろいろな臓器の細胞に分化することのできる多分化能を有した万能細胞です。2006年に発表されて以来、「いかにしてよりクオリティの高い、いろいろな細胞を作るか」という研究が中心に行われてきましたが、今後は「作られた細胞をどう応用していくか」が、大きな課題となっています。その1つが、創薬への応用です。

iPS細胞で三次元組織を作り薬の効果を調べる

 新薬が使われるまでには、有効性や安全性を確かめなくてはなりません。これまでは動物を用いた実験や、実際に人に対しての臨床試験で薬の候補物質の薬効と安全性を調べていましたが、これにヒトiPS細胞を活用する研究が進んでいます。例えば、脳の病気の新薬開発の場合、ヒトの細胞から培養したiPS細胞を部品として、脳神経の三次元組織を人工的に作ります。次に、最新の電子材料を用いて、神経細胞の機能を測ることができる計測チップを作ります。そして、人工的に作られた神経細胞組織に薬や物質を投与して、神経活動や神経伝達物質などを、計測チップ上で電気的に計測するのです。計測した情報は、1分間でギガ単位になるくらいのビッグデータになりますが、これを定量解析していきます。

新薬開発に期待がかかる技術

 てんかんやアルツハイマー病など神経活動に異常が出る神経疾患や、神経伝達物質の放出異常による神経疾患は多数存在します。iPS細胞の発見により、患者さん由来の疾患神経細胞を作ることができるようになりました。患者さん由来の神経細胞を用いて、生体組織を模倣する三次元培養技術「創る技術」、神経細胞の機能をリアルタイムに計測する技術「測る技術」、得られた情報を解析する技術「解く技術」を用いれば、これまで難しかったヒト神経疾患の解明や薬の開発を飛躍的に向上させることが可能となります。
 また、医学や薬学への応用のみならず、化粧品の毒性評価など、化合物のヒト神経細胞に及ぼす影響など、応用が大いに期待されています。

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この学問が向いているかも 神経医工学

東北工業大学
工学部 電気電子工学科 准教授
鈴木 郁郎 先生

メッセージ

 おもしろいと思ったら、まずは行動してみましょう。知識は後からついてくるものです。また、自分の頭で考えて、課題を解決できる人になってほしいと思います。人から言われたことだけをやるのではなく、自分で課題を見つけて、解決法を考えて、その過程を楽しんだらいいのです。一人で悶々と考えていてもダメなときは、誰かに話してみるといいでしょう。話しているうちに、何かいいアイデアが出てきて解決できるかもしれません。研究を展開するためには、仲間がとても大切です。

先生の学問へのきっかけ

 受験の前にたまたまテレビでアインシュタインのドキュメンタリー番組が放送されているのを見て、「すごい!」と感動し、物理学を選ぶことにしました。今思えば、なんとも単純な動機です。子どもの頃から、生物が好きだったので、在学中に「生物の動作原理は何だろう」と思い、実験生物物理の分野へと進みました。動物を使った実験やクリーンルームで半導体技術とバイオ技術を組み合わせるような実験もして、のめり込んでいきました。生命科学に関わる研究は、多くの分野にまたがっており、物理と化学が今の研究の基礎になっています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

製造開発/製薬会社MR/医療機器開発/大学研究職

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鈴木 郁郎 先生がいらっしゃる
東北工業大学に関心を持ったら

 本学では、「創造から統合へ」をユニバーシティスローガンに掲げ1964年の創設以来、3万人を超える卒業生を輩出し、日本の、とりわけ東北地域の産業・経済の発展に大きく貢献してきました。自然に囲まれた豊かな環境でありながら、仙台市街地にも近く利便性の良い 「八木山キャンパス」「長町キャンパス」の両キャンパスで創造的な思考を学ぶべく、最先端の環境を整え、学生の期待と意欲に応えるカリキュラムを用意しております。
 進化し続ける学びのステージ。それが東北工業大学です。

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