夢ナビ夢ナビは、さまざまな言葉をデータベースから検索・閲覧し、将来の進路を決める“きっかけ”を提供します。

講義No.07555

盛岡は、なぜ「虹の街」と呼ばれるのか?

「ローカル気象学」が教えてくれる地域性

 気象学と聞くと天気予報を思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし、気象学とは天気予報だけにとどまらず、気候や風、気温、気圧、地形などさまざまな視点から自然を観察し、その現象を読み解く学問です。特に狭いエリアの気象について研究する「ローカル気象学」は、その土地の暮らしや風土などの地域の特徴をはっきりと浮かび上がらせてくれます。

盛岡の人は傘を差さない?

 岩手県盛岡市近郊では、全国でも珍しい「北岩手波状雲」という特徴のある雲が発見されました。これは奥羽山脈を越えてくる季節風が波状に吹くことで出現し、決まった場所に停滞します。このことで、奥羽山脈から盛岡市街地の間では、「雲のあるエリア」と「雲のないエリア」が交互に出現する状態になることが多く、「雨」「晴れ」「雨」「晴れ」というように、局地的に天候が変わるケースも珍しくありません。いわゆる「天気雨」と言われる状態になるわけです。盛岡の出身者以外の多くの人が、盛岡の人は雨や雪が降っても傘を差さないような印象を抱くと言われますが、これは盛岡の人が雨や雪が続かないことを、経験則として知っている何よりの証しと言えるでしょう。

地域は不思議な現象であふれている

 この北岩手波状雲がもたらすのは天気雨だけではありません。晴れと雨が交互にやってくる中で生まれる「虹」もそのひとつです。盛岡は虹の発生率が非常に高く、高速道路を南下すると虹がいつまでもついてくるような錯覚に陥ることもあります。さらに、ドライバーには非常に厄介なアイスバーン(路面の凍結)の原因も、この波状雲であると考えられます。
 このように、何気なく暮らしている中にも生活や習慣と気象が密接に関わっていることが、実は非常に多いのです。あなたの町にも、あなたの町だけの不思議な気象現象が起こっているかもしれません。注意を凝らして観察することで見えてくる何かを探してみてください。

アイコン

講義を視聴する(1分)

アイコン

講義を視聴する(1分 その2)

アイコン

講義を視聴する(1分 その3)

アイコン

講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 気象学

岩手大学
教育学部 理科教育科 教授
名越 利幸 先生

先生の著書
メッセージ

 岩手大学教育学部で理科教育と気象学を専門にしています。気象学を専門に学べる大学は全国的にも少数です。気象学を学びたいなら、高校時代にぜひ物理や数学をしっかりと学んでおいてください。気象の現象は「観察」からスタートします。起こっている現象をよく見て、不思議なことがあれば、納得がいくまで調べる、そういった「科学リテラシー」を持った学生を歓迎します。いろいろな疑問を高校時代に抱いて、ぜひ大学でそれについて研究をしながら、一緒に学びましょう。

先生の学問へのきっかけ

 岩手県内のローカルな気象学を研究しています。小学生の頃、強風の影響で、近所の家の瓦が自宅に刺さった事件があり、このときから気象学に興味を持ち始めました。中学でも気象部に在籍し、高校時代には友人のお父さまの関係で、気象予報会議に出席させてもらった経験もあります。根っからの気象学好きで愛媛県の大洲盆地から霧が嵐のように噴き出す「肱川(ひじかわ)あらし」という現象についても専門的に研究し、著書も発行しています。中学校への出張授業で天気予報の方法を教えるなど、幅広く精力的に研究や活動を進めています。

大学アイコン
名越 利幸 先生がいらっしゃる
岩手大学に関心を持ったら

 岩手大学は、人文社会科学部、教育学部、理工学部、農学部の4学部からなり、文理バランスの取れた総合大学です。
 宮澤賢治も学んだ歴史と伝統、そして市街地ながら緑あふれるキャンパスは利便性も高く、落ち着いた学びの環境を形成しています。
 また、全学部がワンキャンパスにあるため他学部の学生との交流も盛んで、学生の研究や就職などにも大きな効果をもたらしています。
 大学HPでは、学部紹介やニュース、大学紹介Blog「岩大エキス」等で大学の魅力をお伝えしています。興味を持った方は是非ご覧になってみてください。

TOPへもどる