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講義No.07423

暗号から政治まで、「数学」は社会のどこにでも顔を出す!

ネット社会に不可欠な暗号化技術と数学の関係

 インターネットで人に知られたくない情報を送るとき、そのまま送れば盗まれたときに困ります。ですから、Aという内容を一旦Bに変えて送り、受け取った側がBをAに戻して読み取るようにすれば、盗まれても内容は漏れません。これが暗号の基本的な考え方です。
 数学には、ある方法で変えた数を別の方法で元に戻せるという法則がいくつかあり、暗号理論との共通点も多いのです。現在の代表的な暗号技術の1つであるRSA暗号にも「フェルマの小定理」という数学の定理が使われています。

ものづくりにも政策決定にも数学が使われている!

 身のまわりに数学が使われている例はほかにもたくさんあります。例えば、音楽CDは光でデータを読み取りますが、ちょっとした傷による読み取りミスは「誤り」として修正するようになっています。これは「誤り訂正符号」という数学の理論を応用したものです。
 また、3つの政策からどれを選ぶかという場合、Aさんは1番、2番、3番の順でよいと思っているが、Bさんは2番、1番、3番の順というように、それぞれよいと思う順番が違うとします。このときどんな意思決定をするのが最も合理的なのか? これも「社会選択理論」という、数学と縁の深い理論の中で考えられています。数学の専門知識を持つ人は、実は社会のさまざまな場面で必要とされているのです。

正しいかどうかを見抜く批判的精神の礎

 代数幾何学は、数学の中でも式と図形を扱う分野です。式と図形は、式を研究すると図形がわかり、図形の性質がわかるとそれを表す式がわかるという関係にあります。式をこう変えると、図形はこう変わるといった対応関係を見ていると、何か法則がありそうに見えますが、本当に何らかの法則があるのか、あるいはたまたまなのか、それを見極めるのが数学です。数学を学ぶことは、物事を「本当に正しいのか?」と考える批判的精神を養うことでもあると言えるでしょう。

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この学問が向いているかも 数学、代数幾何学

埼玉大学
理学部 数学科 准教授
海老原 円 先生

先生の著書
メッセージ

 数学は世の中のいろいろなところに顔を出します。普遍性があるとも言われます。1000年前に証明された定理は今も正しく、これから1000年経ってもやはり正しいのです。そういう意味で時間を超えています。さらに、今ここで正しい定理は世界中のどこに行っても正しいので、数学そのものがインターナショナルなのです。
 数学を学ぶことで、論理的思考力や物事を批判的に考える態度も身につきます。将来にどんな夢や目標を持っていても、役に立つのが数学です。一緒に数学を勉強しましょう!

先生の学問へのきっかけ

 父が数学好きだったことや、通っていた小学校にも少し難しいことを教えてくれる先生がいたおかげで、早いうちから数学の世界に触れる機会がありました。あなたも「三平方の定理」は知っていると思いますが、私が初めて三平方の定理を知ったのは小学生のときでした。
 辺の長さが3対4対5だと直角三角形になるのは有名ですが、例えば、5対12対13のときにも直角三角形になる、「それなら、ほかにはどんなパターンがあるのだろう?」といったことをいろいろ考えていたのです。そんな経験が、今の研究につながっているのかもしれません。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

数学者/中、高校教員/金融/ソフトウェア(情報系)

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海老原 円 先生がいらっしゃる
埼玉大学に関心を持ったら

 埼玉大学は、総合大学として有為な人材を育成する、首都圏大学として社会とリンクし還元する、世界に開かれた大学として国際交流を推進する、の3つが特色です。TOEIC600点を目標に画期的な英語教育を実施しています。学生諸君が、高度な専門知識に加えて幅広い教養と国際感覚を持ち、社会に貢献することができる市民・職業人に成長できるよう、教育上のさまざまな工夫を施しています。

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