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講義No.05858

アマガエルが教えてくれた「省エネ」通信ネットワークシステム

無線でつながる通信ネットワーク

 大きなビルの中には自動販売機(自販機)がたくさん設置されています。その売上や在庫状況を把握するために通信ネットワークが使われます。ただし一つひとつの自販機をそれぞれ有線のネットワークで結ぶとコストがかさみます。そこで各自販機を無線ネットワークで結び、データを集約して送信するのです。例えば5階の自販機のデータを3階の自販機まで飛ばし、そこから1階に飛ばすバケツリレーのようなイメージです。こうしたシステムを「アドホックネットワーク」と呼びます。情報をリレー式に送るルートは固定されておらず、送信ごとに最適なルートが選択される仕組みになっています。

バッテリーで動かすシステムは省エネが課題

 アドホックネットワークは、小型のセンサーネットワークやガスメーターのネットワークなどにも使われています。そこで問題となるのが電源です。自販機は電源があるので問題ありませんが、屋外のネットワークではバッテリーを使います。通信すると電力を消費するので、ネットワークを動かし続けるためには、電気を無駄なく活用しなければなりません。ところがアドホックシステムでは、各無線機ごとに通信量が異なるのでバッテリーの減り方にも差が出ます。電源を最も長持ちさせるには、どのような経路にすればよいか。ヒントは意外なところにありました。

アマガエルの求愛行動を参考にシステムを考える

 アマガエルのオスは鳴き声でメスを引きつけます。これは「サテライト行動」と呼ばれ、鳴き声が大きいほどメスをよく引きつけるのです。したがって自分の周りにより大きな声で鳴くカエルがいると、鳴いても無駄です。そんなカエルは鳴くのをやめて体力を温存するのです。電池の残量をアマガエルの体力と考えれば、残量の少ない無線機は使わず、多い無線機を中継点として使えば、システム全体のバッテリーを長寿命で使用できます。これはサテライト行動型のネットワーク制御と呼ばれています。


この学問が向いているかも 情報ネットワーク学、情報処理学

大阪府立大学
現代システム科学域 知識情報システム学類 教授
菅野 正嗣 先生

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メッセージ

 大阪府立大学現代システム科学域知識情報システム学類は、平成24年度に発足した文理融合タイプの新しい学類です。情報システムを人間に対するサービスの観点から追究する新しい学問を構築し、さまざまなサービスを創造できる人材育成をめざします。文系理系を問わず、情報システムに関心のある人なら誰でも大歓迎です。ただし、システムを扱うためには数学的な手法が欠かせません。文系志望の人でも、高校時代に数学をしっかりと勉強して来てください。数学的な知識や思考能力は、社会人となってからもきっと役に立ちます。

先生の学問へのきっかけ

 小学生の頃から電子工作が大好きな少年でした。モーターやラジオなどをハンダゴテを使って作るのが何より楽しかったのです。中学生の頃、マイコンがブームになりました。高価で買えなかったものの、新しいマシンには興味津々で、本を読んで勉強していました。当然、大学は情報系を選びました。そして所属した研究室でネットワーク研究の面白さに目覚めたのです。私の研究室は、1985年当時の日本におけるインターネットの関西の拠点で、日本で2番目のドメインネームサーバが置かれた日本のネットワーク研究の最先端でした。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大学院進学/システムエンジニア

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菅野 正嗣 先生がいらっしゃる
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 公立大学法人大阪府立大学は、2005年、大阪府立大学・大阪女子大学・大阪府立看護大学の3大学が統合してスタートしました。
 そして2012年、公立大学法人大阪府立大学は「国際・多様・融合」をキーワードに、7学部28学科から4学域13学類体制にカリキュラムを再整備しました。加えて、大学院7研究科も19専攻から21専攻へと、研究分野をより充実させます。
 広大な敷地と最新の設備を整え、恵まれた教育・研究環境を学生の皆さんに提供し、高度研究型の総合大学として人材育成に努めています。

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