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講義No.05008

「100年に1度」の大雨が増えている?

100年間の降水量データを分析してわかること

 毎日どれぐらいの雨が降ったのかを表す日降水量データなら、全国51カ所について1901年からの記録を誰でも簡単に手に入れることができます。データは気象庁のホームページにあり、すぐにダウンロードできるのです。東京での雨量ならば、1時間単位のデータを見ることもできます。こうしたデータを集めて、過去100年間の雨の降り方を分析し「100年に1度」で発生する大洪水や大雨の記録を調べてみた結果、意外なことがわかってきました。

「100年に1度」が「10年に1度」に

 例えば「100年に1度」の大雨は、実際にどれぐらいの頻度で起こっているのでしょうか。岡山県の過去のデータを統計的に調べてみると、実は100年に1度レベルの大雨の雨量が増えていることがわかりました。昔だったら本当に100年に1度ぐらいでしか降らなかった大雨が、最近では10年に1回ぐらいの頻度で起こっているのです。確かにマスコミでは「ゲリラ豪雨」といった表現をよくみかけますし、近年、大雨が増えているように思えます。これは、地球温暖化の影響だと説明されることもよくあります。地球温暖化の影響を詳しく調べるためには、自然現象を分析しシミュレーションによって予測する必要があります。予測精度を高くするためには、膨大な量と種類のデータが必要で、このようなデータの処理には、「京(けい)」のようなスーパーコンピュータが必要になります。

2年連続で「100年に1回」の大雨が起きる?

 一見、おかしいように思えますが、確率的には、まったくおかしくありません。ポイントは期間のとり方にあります。確率的には「100年に1回」と「1万年に100回」は同じです。ですから1万年単位で考えれば、たまたま大雨が2年続けて降ったとしても何の不思議もないのです。逆に言えば1万年に100回の大雨が、きっちり100年ごとに起こる確率のほうがはるかに低いのです。同様に考えれば千年に1度の大地震が2年続けて起こることも十分にあり得ます。

3時間先、100年先に起こりうる洪水

夢ナビライブ2017 大阪会場

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100年先の雨の予測ってできるの……?

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この学問が向いているかも 水文学、水工水理学、土壌物理学

岡山大学
環境理工学部 環境管理工学科 教授
近森 秀高 先生

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メッセージ

 水は生命の源で、水がなければ人は生きていくことができません。一方で水は、時に人に災いをもたらすこともあります。渇水になっても、洪水が起こっても、水は私たちの暮らしに大きな影響を与えます。その水を対象とする学問が水文学(すいもんがく)です。水文学の研究には、物理と化学、そして数学の知識が欠かせません。高校での学びは、大学での学問に直結しています。高校でしっかり勉強すれば、必ずそれだけの成果を大学で得ることができます。水を通して環境問題について考えたいあなた、ぜひ、私の研究室に来てください。

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 岡山大学は、これまでの高度な研究活動の成果を基礎として、学生が主体的に“知の創成”に参画し得る能力を涵養するとともに、学生同士や教職員との密接な対話や議論を通じて、個々人が豊かな人間性を醸成できるように支援し、国内外の幅広い分野において中核的に活躍し得る高い総合的能力と人格を備えた人材の育成を目的とした教育を行います。

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