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講義No.11520

都市を支える貨物交通の計画

都市形成と密接に関わる貨物交通

 世界中のほとんどの都市は、貨物交通の要所にて形成されました。東京も江戸時代から港湾都市として発達してきた歴史があります。近代以降、工業地帯が沿岸地域や河口周辺に発達しましたが、これらの場所が、原料を運び製品を出荷するのに便利だったからです。現在でも、貨物交通システムの構築・維持は重要な課題です。

物流の進化と都市貨物交通の課題

 情報通信技術の発達により、物流(=ロジスティクス)は進化を続けています。今では、消費者のニーズがリアルタイムで把握できることから、商店に並ぶ品々は、購入・消費が予測される分量だけ入荷されます。モノの流れが、より「オンデマンド」になっているのです。現在、コロナ禍もあり、急成長しているオンラインショッピングはこのトレンドの上にあります。このような物流のシステムにおいては、製品を一刻も早く消費者に届けるために、配送センターやフルフィルメントセンターといった、荷物を処理するための大規模な施設が必要になります。それらの大規模施設のための用地の確保が今、課題となっています。
 また、モノの流れがよりオンデマンドになることで、モノがより高頻度に運ばれることとなり、その結果、交通システムに対する負荷が増えています。例えば、配送用トラックの駐車場所の確保は大きな課題です。また、交通混雑の激しい都市の中心部にモノを運ぶためには、とても高い費用がかかります。トラックによる交通渋滞、排気ガス、騒音、事故も社会にとって、とても大きなコストです。都市貨物交通の改善は、より住みよい社会の実現にとって、とても重要です。

シミュレータの開発

 ドローン、自動運転自動車、配送ロボット、等の新しい技術が開発され、また、夜間配送、共同配送、クラウド配送など、新しい施策提案されています。これらの技術・施策が、将来の都市貨物交通にどのような影響をもたらすか、分析をすることが必要です。このような分析を行うためのシミュレータが開発され、様々なシナリオの評価に用いられています。


この学問が向いているかも 交通行動分析学

東京海洋大学
海洋工学部 流通情報工学科 准教授
坂井 孝典 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 あなたは今、志望する大学に合格するために大変な苦労を重ねていると思いますが、大学に入学することがゴールではありません。大学に在籍している期間は、将来、あなたが社会に出て活躍するための、とても貴重な自己研鑽の期間です。大学では目標を定め、講義や研究に一生懸命取り組むことをお勧めします。日本においては、大学入学までが強調されがちですが、社会に出てすぐに活躍できる人は、例外なく、大学在学中に努力しています。限りある時間を有効に過ごしましょう。

先生の学問へのきっかけ

 私の専門性への志向は、絶えず変化してきました。大学入学時は、建築学を志望し、その後、土木工学において、より公共性の高い仕事に取り組めると考え、土木工学の中の交通計画を勉強することになりました。卒業後は、当初は国家公務員を志向していましたが、交通計画における実際のデータ収集や分析に取り組むのはコンサルタントだということを知り、コンサルティング会社で、途上国の交通計画の業務に従事することにしました。その後、社会における貨物交通の重要性を実感し、現在は都市における貨物交通を対象とした研究をしています。

大学アイコン
坂井 孝典 先生がいらっしゃる
東京海洋大学に関心を持ったら

 東京海洋大学は、全国で唯一の海洋にかかわる専門大学です。2大学の統合により新しい学問領域を広げ、海を中心とした最先端の研究を行っています。海洋の活用・保全に係る科学技術の向上に資するため、海洋を巡る理学的・工学的・農学的・社会科学的・人文科学的諸科学を教授するとともに、これらに係わる諸技術の開発に必要な基礎的・応用的教育研究を行うことを理念に掲げています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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