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講義No.11508

空港の経営をデータサイエンスで客観的に評価する

空港の意義

 日本には97の空港があり、立地条件や経営母体などが違うため異なる特色を持っています。乗客は移動手段として航空機を利用するために空港を訪れますが、移動手段としての機能だけでは空港を素通りしてしまいます。空港にプラスアルファの利益をもたらすために、飲食店やショップなどのサービスを提供し、移動という行為に別の価値を付加しています。特に空港が国や県の運営ではなく民営化されている場合、空港は商業活動の場としての意義がより重要となっています。

空港の活動を見える化する

 これらの空港の経営状態を考える場合、まずはその空港の特色に合った効率性や生産性を評価する必要があります。製造業ならば仕入原価、人件費、売り上げ利益などにより単純に効率性や生産性の評価ができますが、空港のような一つひとつの特色が異なるものを評価する場合、単純な基準だけでは判断できません。客観的に評価するためには、まず航空機(旅客や貨物)に関わる航空系サービスと、飲食店などの非航空系サービスを合わせた活動を、インプットとアウトプットに分けてデータ化します。インプットは、資本、人件費、空港の広さ、規模、滑走路の数などです。アウトプットは、年間の利用者、航空機の便数、商業施設の売り上げなどです。

経営改善の手法としてのデータサイエンス

 その上で、「生産性フロンティア企業」と呼ばれる最も経営が良好な企業のインプットとアウトプットが、どんなバランスかを計算します。経営状態が悪い空港は、フロンティア企業のバランスからどれだけ離れているかを数値化することで、経営改善につなげることができるのです。もしアウトプットに対してインプットが多過ぎるのなら、インプットの項目から削減できるものを選ぶ必要があるでしょう。あるいは、インプットに合わせてアウトプットを増やせるように、サービスの質を高めることも考えられます。空港のような形態の経営を客観的に判断する材料として、データによる解析が有用になっています。


この学問が向いているかも 経営学、統計学、経済学、交通経済学

大阪産業大学
経営学部 商学科 講師
安達 晃史 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 データを使って分析するということは、自分たちの身近な暮らしや活動を「見える化」することです。あなたも人々が実際にどういうことをしているかを深く知りたいと思うなら、一緒にいろいろなことを分析して研究しましょう。
 そのためには数学がとても大事です。日本では経済や経営は文系に分類されていますが、海外の多くの国では理系としてとらえられています。これからの時代は、どんな分野においても文系と理系の壁はなくなっていくでしょう。ぜひ数学をがんばって勉強してきてください。

先生の学問へのきっかけ

 私は大学進学が思うようにいかず、志望とまったく違う経営学部に入学しました。ふてくされていても仕方がないので、とりあえずいろいろな講義を履修してみると、経済学や経営学を通じて企業や組織、人がどう行動するかが見えるようで、勉強が面白くなりました。経済・経営系の分野で分析を行うことが、自分に合っていると思えたのです。大学在学時は、空港の民営化が進み、LCCが出始める航空業界の変わり目でした。国際交通を専門にする先生のゼミに入り、以来ずっとデータサイエンスを用いて航空産業の分析を進めています。

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安達 晃史 先生がいらっしゃる
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※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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