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講義No.11506

テーマパークに続け! データを利用した観光戦略

入園料はなぜ変わる?

 TDRやUSJなどのテーマパークでは、日によって入園料が変動します。これは来客数を過去のデータから分析し、需要が多いときに料金を高くしているからです。このように需要と供給のバランスに応じて価格を変動させる手法を「ダイナミックプライシング」といいます。このダイナミックプライシングを、データをもとに行っている観光関連の企業は、まだ大手ばかりです。中小企業や昔ながらの旅館などは「この時期は祭りがあるので観光客が増える」など、経験に基づいて料金を決めています。しかし日本の観光業全体が経営にデータを利用して生産性を上げなければ、観光立国として国際社会で生き残ることは難しいでしょう。

ICTやAIで進歩する価格付け

 データの収集と分析にはICT(情報通信技術)やAI(人工知能)が活用されており、1日の中でもどの時間帯に人が多いかといった細かなデータを価格に反映できます。携帯端末などのデバイスのGPSの位置情報を地図上に表示すれば、人の流れを把握することも可能です。政府が公表している従来の統計データでは、市町村単位までしか地域を細かく区切ることができませんでした。しかしGPSを使えば市内のどこに人が多いのかなど、より小さな地域の情報が集められます。

地域全体でのデータ活用は難しい?

 もし観光地全体でダイナミックプライシングを導入すれば、観光客が増えすぎて地元民の生活や環境の破壊が進むといった「オーバーツーリズム」などの課題も解決できる可能性があります。観光客数が調整されれば対策がしやすくなるほか、飲食店などが来客数の予測を立てやすくなるでしょう。
 しかし地域でダイナミックプライシングを行ったとしても、あとからより安い価格を付けてもうけようとする業者も出てきます。こうした課題に対処するためには、人の心理や市場の動向などに目を向けることも必要です。観光に関するデータは、ほかの要素と組み合わせることでさらに力を発揮するといえます。


この学問が向いているかも データサイエンス学

立正大学
データサイエンス学部 データサイエンス学科 教授
大井 達雄 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 新型コロナウイルスの流行によって2020年頃から外国人観光客が減り、観光地が打撃を受けました。しかし将来的には回復すると予想されますので、日本の観光市場を強化して観光客をきちんと迎え入れられるよう準備をすることが重要です。
 観光に貢献できる分野といえば、国際学、語学や人文学を思い浮かべるかもしれませんが、データサイエンスもそのひとつです。データ自体は抽象的かもしれませんが、見える化などによって社会に役立つ形に変換することができます。そんな変換方法や分析方法を、大学で一緒に学びましょう。

先生の学問へのきっかけ

 高校時代は工学部を志望していましたが、希望の学科に入ることができなかったため経営学部に進みました。経営は文系分野のイメージがあり興味を持てずにいました。しかし、データサイエンスのように理系の知識を活用できる領域も多いことに気づき、データ分析が一気に面白くなりました。大学卒業後、講師として採用された大学で観光学科に配属されたことを機に、観光市場の統計分析にも取り組んでいます。データの中に世の中でまだ知られていない発見が潜んでいると考えながら、計算や分析をすることがとても楽しいです。

大学アイコン
大井 達雄 先生がいらっしゃる
立正大学に関心を持ったら

 立正大学は、9学部16学科を有し、多彩な学問分野において広く深く学ぶことができます。加えて充実したキャリア形成支援により、社会の多方面で活躍する優れた人材を輩出しています。本学は1872年(明治5年)東京・芝に開校の起点となる小教院を設立し、2022年で開校150周年を迎えます。品川キャンパスは山手線2駅から徒歩5分の都市型キャンパス、熊谷キャンパスは東京ドーム約8個分の広大な自然環境型キャンパスをもつ、学生数1万人を超える総合大学です。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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