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講義No.11448

過去を知ることで未来をつくる「建築の歴史」

過去のデザインに学ぶ「建築史学」

 「建築史学」とは、当時の人の考えや社会的背景そして建物の様式から、建築の歴史をひもといていく学問です。例えば大学の講義で建築を勉強すれば、誰でもある程度のデザインは描けるようになります。しかし、真にオンリーワンな建物を産みたいならば歴史を学ぶことが大切です。自分では斬新と思っていても、過去に既に存在している場合があるからです。過去に立ち返ることで、新たな解決の糸口やデザインが見えてくることもあります。そして古くから現在まで残っているものは多くの人が意思を持って守ろうとした結果であり、古い町並みにも地域の歴史が詰まっています。地元の人でも気がつかない建物の価値を明らかにし、守っていくルールづくりも必要です。

江戸時代の町並みを保存するには?

 福島県南会津の大内宿(おおうちじゅく)は、江戸時代に参勤交代の宿場町として成立しました。現在も江戸時代の面影そのままに、かやぶき屋根の民家が建ち並ぶ様子は珍しく、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。近年行った再調査では、すべての建物が同じ年代に建てられたものではなく、大きく4つの年代に分かれることが明らかになりました。それぞれの時代の様式に合わせた保存や修理の方法の検討が必要です。

最新テクノロジーと歴史

 古いものを扱う建築史学ですが、積極的に最新のテクノロジーを取り入れた調査が行われています。先の大内宿の建物の見直し調査では、これまで行われてきた「放射性炭素年代測定法」の性能が以前より高くなり、建物が建てられた年代の判定の誤差が少なくなりました。そのほか3DCADによって建物を三次元で表現できるようになり、建物の検証や復原に応用されています。具体的には古い写真を元にして、3DCADで建造物を復原したところ、従来の手法では見えない、建築学的に不明確な問題が明らかになった事がありました。建築史学とは、建築と地域社会、過去と現在を結び、未来へと役立てることができる学問だといえるでしょう。


この学問が向いているかも 建築史学

久留米工業大学
工学部 建築・設備工学科 准教授
成田 聖 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 高校時代、デザインやファインアートが好きで、「カッコいい建築家」になりたくて芸術工学部への進学を決意しました。学力的にはかなり厳しい状況でしたが、両親に頭を下げて1年間の浪人生活を送り、なんとか合格することができました。「何になりたいか?」と目標を明確にし、成功している姿から遡り今すべきことをおこなえば、受験は突破できます。それよりも重要なのは、大人や偏差値など他人の物差しではなく、自分の「人生」の方向を決めることです。そのために高校時代に仕事の種類や業界など、社会のことを知るべきだと思います。

先生の学問へのきっかけ

 大学時代、自国の建築史に詳しい留学生の影響で、日本建築や町並みの歴史をもっと知るべきだと気づき、建築史学の世界に飛び込みました。また、以前勤めていた国立の文化財研究所で、わかりやすい形で情報を発信することで社会が変わることを実感し、重要性がわかりにくい歴史や文化、アートの理解者を増やしたいと考えるようになりました。そして、歴史が多くの場面で役に立つことがわかってきました。「建築史」は建築の歴史を考えるだけでなく、これまでを踏まえて新たなことを生み出すことに実は必要不可欠ということです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

ゼネコン/ハウスメーカー/空間デザイナー(ディスプレイ設計)

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成田 聖 先生がいらっしゃる
久留米工業大学に関心を持ったら

 国公私立大 合同進学オンラインイベント「夢ナビライブ2021Web in Autumn」に、成田 聖 先生が参加! 先生の講義ライブ動画を10月31日(日)までオンデマンド配信するほか、Zoomで先生に直接質問ができる「講義ライブ質問対応・研究室訪問」を10月3日(日)に実施。夢ナビライブは、600名以上の大学教授や200近い大学がさまざまなプログラムを実施する大型オンラインイベントなので、まずは「夢ナビライブ」で検索してください。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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