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講義No.11439

放射性医薬品での検査も担当~診療放射線技師の役割とは~

体の中から放射線を出す

 診療放射線技師は、放射性医薬品を使用した「核医学検査」を行っています。X線検査が放射線を外側から当てるのとは逆に、核医学検査は投薬した放射性医薬品が体の内側から放射線を出します。
 例えば、がん細胞が骨に転移していないかを調べるためには、骨を形成するのに必要なカルシウムに似た成分に放射線を出す元素をつけた薬を使います。がん細胞が転移した部分はカルシウムの代謝が活発であるため、体中の薬が転移部分に多く集まって放射線を出し、画像で確認できるのです。薬は1時間~数日程度で体の外に抜けてしまい、かつ放射線自体も自然に減っていくので、被ばく量が少なく1度の投薬で全身を細胞レベルで調べられるのが核医学検査のメリットです。

さまざまな病気の早期発見に

 アルツハイマー型認知症の治療薬が承認される前から、検査用の放射性医薬品の開発が進んでいました。正常な人に比べて脳内の血流が低下するパターンがわかっているため、現在はこのような血流低下の程度を詳細に比較する解析技術が画像診断に用いられています。さらに、アルツハイマー型認知症のもととなる脳の老人斑「アミロイドβ」や、「タウ」という脳内物質の分布を画像化する放射性医薬品の開発も進められています。

安全安心な核医学検査と治療のために

 核医学診療には一般的な核医学検査のほかにPET(ペット)検査や核医学治療があり、放射性医薬品の種類は多岐に渡ります。薬は放射線量を正確に測定して準備しますが、中には投与前に最終調製が必要なものがあります。薬の保管や調製の不備により薬と放射線を出す元素が外れてしまうと、薬が目的の場所に行き届きにくくなり、数値に誤差が出ることがあります。投薬前に元素外れがないかの確認試験やその原因を知ることが大切です。そのため、迅速に実施できる確認試験の方法や元素外れの原因を調べる研究がなされています。準備や投与時に不備がないように薬剤師や看護師、医師と連携し、安全面に細心の注意を払うことが重要な役割です。


この学問が向いているかも 診療放射線学

帝京大学
医療技術学部 診療放射線学科 講師
横塚 記代 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 「X線」や「CT」「MRI検査」は耳にしたことがあると思いますが、「核医学検査」も診療放射線技師が担うものの一つです。予防のための健康診断から、診察、リハビリ、術後の経過観察などの医療のさまざまな場面で使われるようになりました。
 診療放射線技師ができる仕事の範囲は徐々に広がってきており、高齢化が進む社会では、医療現場でますます必要になる職種です。あなたが幅広く人を手助けしたいと思っているなら、ぜひ診療放射線技師をめざしてほしいと思います。

先生の学問へのきっかけ

 高校の頃は化学と数学が好きで、工学の応用化学の分野に非常に興味を持っていました。進路を決定する時に、人の役に立ちたい気持ちが一番発揮できるのは医療だと考え、医療の職種の中でも工学に近い診療放射線技師への道を選びました。核医学は病気の早期発見だけでなく、リハビリや手術後の経過観察にも役に立つ検査です。放射線を出す薬が分子レベルで体の隅々まで行きわたって、体の機能なども評価できてしまうところが素晴らしいと思いました。現在は、検査に不可欠な放射性医薬品の安全使用に関する研究をしています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

診療放射線技師/アプリケーションスペシャリスト(医療機器メーカー)/技術研究員(医療機器メーカー、ソフトウェアメーカー、製薬会社)

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横塚 記代 先生がいらっしゃる
帝京大学に関心を持ったら

 国公私立大 合同進学オンラインイベント「夢ナビライブ2021Web in Autumn」に、横塚 記代 先生が参加! 先生の講義ライブ動画を10月31日(日)までオンデマンド配信するほか、Zoomで先生に直接質問ができる「講義ライブ質問対応・研究室訪問」を10月2日(土)に実施。夢ナビライブは、600名以上の大学教授や200近い大学がさまざまなプログラムを実施する大型オンラインイベントなので、まずは「夢ナビライブ」で検索してください。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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