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講義No.11430

「壊れない」橋を造るために「壊れる」とは何かを知る

なぜ橋は「壊れる」のか

 橋りょう(以下、橋と表記します。)のような巨大な建造物の設計を考える際には、より頑丈で長持ちするものになるように、それぞれの環境に応じて材料や構造を慎重に決めていく必要があります。しかし、壊れない橋を造るためには、そもそも橋が「壊れる」とはどういうことなのか、「破壊」という現象そのものについて、理解しておかなければなりません。

「壊れる」とは、どんな現象?

 現代の技術で造られた鋼鉄の橋が、完全に壊れて落下してしまうということは、めったにありません。ただ、傾いたり、部分的に損傷してしまったりして、その橋を安全に渡れなくなってしまうという事態は起こり得ます。また、橋本体に問題はなくても、両端で地盤に埋まっている基礎の部分が、地震などによって変形してしまって、安全に渡れなくなることも起こり得ます。
 鋼鉄の構造部材は、時間がたつにつれ、錆びて腐食していきます。また、橋の上を重い列車や自動車が何度もくりかえし通過するうちに、重量と振動によって構造部材は疲労損傷していきます。こうした要因を予測して、あらかじめ余裕を持たせた強度で橋を設計することや、鋼鉄の腐食を防ぐための適切な塗装を行っておくことが必要になります。

「壊れる」のを防ぐために必要なこと

 設計以外の面で橋が壊れることを防ぐには、完成後の点検と維持管理が不可欠になります。そうした点検や修理、場合によっては補強などの作業がやりやすいように、設計段階で考慮しておくことも重要です。その一方で、完成後の橋に対して、どのくらいの期間がたったらどのような対処をすべきなのかを見通す、橋の状況に応じた基準はまだはっきりと定まっていません。
 社会における建造物の耐震基準などが厳しくなっている現在、橋とその破壊についての研究成果を基に、性能を向上させた次世代の橋を建設するためのガイドラインを定めることも必要です。100年後の社会にも残るような息の長い建造物を造るためのアプローチが、橋の建設には求められているのです。


この学問が向いているかも 土木工学、構造工学

横浜国立大学
都市科学部 都市基盤学科 准教授
田村 洋 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 高校での理系学科の勉強は、なかなか道のりが見えにくいものだと思います。でも、そこで培ったものが、最終的には大学での研究や実社会での仕事などに生きてくることを知っておいてほしいです。高校時代にあきらめずに勉強をがんばっておけば、大学からはそれをもとに好きなことを選んで研究できます。
 同時に、高校生活の中でいろいろなものを見聞きして、幅広い経験をしておくこともとても大切です。大学で学ぶことを楽しみにしていてください。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃、電車に乗るのが好きでしたが、車両よりも、線路やトンネル、橋などに引かれていました。大学では、何か大きなものごとについて学んでみたいと考えていたのですが、新しいものをいろいろな人と協力しながら作っていけるような分野で学びたいと思うようになり、土木工学の分野から橋の研究に携わるようになりました。より壊れにくい橋を設計するにはどうすべきかを考えていく中で、「破壊」という現象そのものについて深く掘り下げて研究しています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

官公庁/高速道路会社/鉄道会社/建設会社/橋りょうメーカー/設計コンサルタント

研究室
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田村 洋 先生がいらっしゃる
横浜国立大学に関心を持ったら

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※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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