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講義No.11394

福祉用具をデザインしよう!

活動をアシストする道具

 福祉用具とは、障がいがある人の活動をアシスト(手助け)する道具です。その歴史は長く、例えばライターや靴べらは、もともとは障がいのある人が使う道具として開発されたといわれています。身近にある福祉用具として、移動をアシストする杖や車椅子があります。眼球の動きだけでさまざまな機器を操作する高度で精密な電子機器も福祉用具です。また、障がいの有無にかかわらず、多くの人が使いやすいように設計する「ユニバーサルデザイン」という考え方も生まれています。一方、義肢や義足のように、特定の個人のためのオーダーメイドの福祉用具もあります。

ユーザー情報を把握する

 通常の工業製品は、不特定多数の利用者を念頭にデザインされるので、高い汎用性が求められます。しかし、福祉用具、特にオーダーメイドの福祉用具は、特定の個人にどれだけ合わせられるかが重要です。まず、ユーザーの情報を把握します。体のサイズ、障がいの種類や状態とともに、「ユーザーが何をしたいのか」という情報も忘れてはいけません。歩くための義足と、走るための義足ではデザインが異なるからです。こうした情報を集約し、人間工学やリハビリテーション工学という専門的な知識を駆使してデザインをしていきます。

チームアプローチとフォローアップ

 福祉用具は、デザイナーだけでは完成できません。必ずユーザー本人に試用してもらうとともに、家族、医師、そして理学療法士や作業療法士、言語聴覚士など日頃からユーザーをサポートしているチームの力も必要です。こうしたチームアプローチによって、ユーザーが使いやすく、負担の少ない用具に改善することが、福祉用具のデザインの不可欠の要素です。さらに、完成しても、それで終了ではなく、定期的なフォローアップを行います。障がいの状態やユーザーのニーズは変化しますから、それに合わせて改善する必要があるからです。
 こうした過程の全体に深く関わることが、福祉用具のデザインの醍醐味(だいごみ)なのです。


この学問が向いているかも 社会福祉学、リハビリテーション工学

長野大学
社会福祉学部 社会福祉学科 教授
繁成 剛 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 福祉用具のデザインは、とてもやりがいがある、喜びに満ちた世界です。障がいは一人ひとり異なっており、それぞれのユーザーの状態に合わせてデザインすることが求められますが、デザイナーだけで完成できるわけではありません。ユーザー本人、家族、医師、介護福祉士、リハビリ関連スタッフ、製作技術者などと連携しながら、より体への負担が少なく、使いやすいものを創造していくのです。地味な分野ですが、完成し、ユーザーに喜んでもらえたときの達成感は格別です。ぜひ、福祉用具の世界を知ってほしいと思います。

先生の学問へのきっかけ

 大学で工業製品のデザインを専攻し、同級生の多くは自動車や家電のデザインといった華やかな世界に進みました。でも、私は福祉用具のデザインに魅力を感じたのです。きっかけの1つは、19歳で出会った『生きのびるためのデザイン』(ヴィクター・パパネック著)という本、もう1つは大学のゼミの先生が連れて行ってくれた障がい児施設での体験です。これらによって、障がいのある人のために用具をデザインすることの大切さと喜びを知りました。以来、リハビリ工学技士となって、福祉用具のデザインと研究に取り組んできました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

技術者/営業担当/福祉用具・医療機器・建築関連企業

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繁成 剛 先生がいらっしゃる
長野大学に関心を持ったら

 国公私立大 合同進学オンラインイベント「夢ナビライブ2021Web in Autumn」に、繁成 剛 先生が参加! 先生の講義ライブ動画を10月31日(日)までオンデマンド配信するほか、Zoomで先生に直接質問ができる「講義ライブ質問対応・研究室訪問」を10月3日(日)に実施。夢ナビライブは、600名以上の大学教授や200近い大学がさまざまなプログラムを実施する大型オンラインイベントなので、まずは「夢ナビライブ」で検索してください。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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