夢ナビ 夢ナビ

検索結果一覧へ戻る

講義No.11388

私たちも加害者? 天然資源の採掘によって土地を奪われる人々

私たちの暮らしの裏側で

 近年の世界的な人口増加、平均寿命そして経済開発の延伸によって、人間が消費する資源の量も爆発的に増加しています。鉱石や石油、ガスといった天然資源を開発するために、毎年1千〜1千5百万人もの人々が暮らしていた土地を追われています。資源の中には、石油やダイヤモンドだけでなく、銅のようなありふれた鉱物も含まれます。つまり、私たちの日々の暮らしが維持され、便利になっていく裏側には、開発によって住む場所や文化を奪われる人たちの犠牲があるのです。

世界に広がる衝突

 むりやり立ち退きを強いられる人たちや、企業や政府からの助成金と引き換えに開発を受け入れ、生まれ育った土地を去る人たちがいる一方で、愛着のある土地を守るために抵抗を続ける人たちもいます。衝突は南米、アフリカ、ヨーロッパ、アジアと世界中で見られます。国際関係論の研究では、こうした人々へのインタビューやアンケートを通して、当事者たちの葛藤や妥協、あるいは抵抗のしかたを明らかにしています。企業や政府が進める開発の具体的な場所や規模、進め方は簡単に外部には明らかにされないため、研究者たちは独自のネットワークをつくって情報を共有しています。

収奪される側の声を届ける

 農民や「先住民」と呼ばれる昔ながらの暮らしを守ってきた人たちが土地を追われ、貴重な文化が失われていくのは深刻な問題です。他方、インターネットとSNSの普及によって、地域住民のコミュニケーションが活性化され、所有する土地に対する意識やそれを守るための知識が高まっていることも明らかになっています。
 天然資源の開発には、企業や地域住民、政府、メディア、国連のような国際機関など、多様な人が関わっており、解決策を見いだすことは簡単ではありません。しかし、国際関係論をはじめとする研究において、現地の人たちの声に耳を傾け、開発の実態や問題点を発信することは、学問分野としての発展だけでなく、社会を真に持続可能にする上でも、重要な意義をもっているのです。


この学問が向いているかも 国際関係論、紛争研究、環境学、社会学

東海大学
国際学部 国際学科 准教授
サスマン デービット 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 「世界を探検し、チャンスをいかせ」、これが私からのメッセージです。グローバリゼーションが進む世の中にあって、世界から隔絶されたまま生きていくことは不可能です。あなたが望もうと望むまいと、世界の方があなたに向かってくるはずです。
 こうした世の中では、世界を知り、学んだことをもとに何らかの行動を起こすことが大切です。たとえそれが自分の身の回りの小さなコミュニティーにとどまるものであっても構いません。とにかくアクションし続けることが、世界市民として活躍するチャンスをもたらしてくれるのです。

先生の学問へのきっかけ

 私はアメリカ東海岸の自然豊かな地域で育ち、無意識のうちに自然や環境への関心や敬意をもつようになりました。同時に、「こことは違う遠い世界を見てみたい」という気持ちも常にもっており、大学と大学院で環境と平和の問題を中心に国際関係論を学んだ後、政府機関に入って南米やアフリカで難民問題の実務にあたっていました。その後は自らの経験を生かして研究者となり、日本人の妻との出会いをきっかけに来日し、天然資源とそれが原因で起こる紛争についての研究と教育に従事しています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

国際開発分野など

大学アイコン
サスマン デービット 先生がいらっしゃる
東海大学に関心を持ったら

 東海大学は、全国のキャンパス(湘南・代々木・高輪・清水・伊勢原・熊本・阿蘇・札幌)に19学部75学科・専攻・課程を擁する総合大学です。「文理融合」の教育理念のもと、副専攻制度として、主専攻はもちろん主専攻以外の興味のある分野についても自由に学べるカリキュラムを用意しております。
 文系・理系の枠にとらわれない教育によって、柔軟な思考力とバランスのとれた総合力を身につけます。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

TOPへもどる