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講義No.11365

Internet of Plantsで未来の農業をつくる

データとAIで最適な農業を導き出す

 天候や季節の影響を大きく受ける農業分野でも、デジタル技術による改革「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を取り入れ、生産のコントロールや効率アップにつなげる研究が加速しています。このうちビニールハウスなどで栽培する施設園芸の分野では、光や温度などの環境データは各農家でこれまでも測定されてきました。一方で農業は、作物の生理・生態(光合成や蒸散など)を最適な状態にしてものづくりをする産業です。そのため環境データだけではなく、生理・生態の状況も数値で見える化しようと、理論や画像、人工知能(AI)を組み合わせた新しいモデルが研究によって開発されています。

注目を集めるIoP

 データに基づく農業を推進するため、提唱されたのが「IoP(Internet of Plants)」という概念です。具体的には、作物の環境データや画像をビッグデータとしてクラウドに集約し、AIが作物の生理・生態を見える化し、営農支援をするものです。例えば光合成のデータから今週の出荷量を予測すれば、市場への出荷戦略などが立てられるようになります。さらには高収益を上げている名人の栽培データを見える化し、クラウドに集約することで、理想的な栽培モデルをAIがつくり出す構想も進められています。

SDGsの目標達成にも貢献

 農家の多くは人手不足が深刻な問題です。そのような中で労力やコストをかけず、資源も有効活用して収益を上げるためには、IoPの活用がひとつの解決策となるでしょう。研究では、理論に基づく作物成長の数式化や、AIによる学習など数理学的開発の融合によって営農を支援するAIエンジンの開発を進めています。また、実証実験や実装、さらなる改善を経て、成長予測の精度向上をめざしています。IoPは省力化や環境負荷の低減、広くは食糧問題にも貢献することから、SDGs(持続可能な開発目標)の達成にもつながる研究といえます。

参考資料
1:IoP説明資料

この学問が向いているかも 農学、農業環境工学

高知大学
IoP共創センター  教授
北野 雅治 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 地球温暖化や少子高齢化、食糧問題など、いま社会が抱えている問題は多岐にわたります。どのようにすれば課題を解決できるのか、一人ひとりが向き合うことで未来の社会は大きく変わり、またそのための研究や技術開発は生涯にわたってやりがいのある仕事となるでしょう。
 高知大学の「IoP(Internet of Plants)研究推進センター」は、農業の抱える問題や食糧問題にDXで挑む世界初の施設です。日本一の生産性を誇る高知県の施設園芸でIoPを社会実装し、農業の未来を変える研究に取り組んでみませんか。

先生の学問へのきっかけ

 高校生のとき、アフリカで干ばつが原因で飢餓に苦しむ子どもたちがいることを知り、衝撃を受けました。この現状を何とかしたいと考え、大学では農業気象学の研究室に所属しました。一方、人間の力ではコントロールが難しい気象ではなく、もっと直接的に農業の発展につながる支援をしたいと考え、農作物の生理生態などについて研究を深めるようになりました。そこから、現在は施設園芸の環境調節分野でIoP(Internet of Plants)を推進し、農家所得の向上や産地のブランド化につながる研究を進めています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大学研究者/公的研究機関研究者/農林水産省技術官僚/県庁技術職員/商社/建設会社/設計会社/気象協会/海外協力事業団技術者/農業機械メーカー/経営コンサル

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北野 雅治 先生がいらっしゃる
高知大学に関心を持ったら

 国公私立大 合同進学オンラインイベント「夢ナビライブ2021Web in Autumn」に、北野 雅治 先生が参加! 先生の講義ライブ動画を10月31日(日)までオンデマンド配信するほか、Zoomで先生に直接質問ができる「講義ライブ質問対応・研究室訪問」を10月2日(土)に実施。夢ナビライブは、600名以上の大学教授や200近い大学がさまざまなプログラムを実施する大型オンラインイベントなので、まずは「夢ナビライブ」で検索してください。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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