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講義No.11349

話し合いやオーダーメイドで決める法律があってもいい!

あなたの人生に深く関わる法律

 日本では18歳になると、「成人」として扱われます(2022年4月1日~)。それは民法という法律で定められていて、保護者の同意を得なくても、自分で携帯電話やクレジットカードなどの契約ができるようになります。このように民法は生活に深く関わる身近な法律で、仕事・結婚・出産・住宅の賃貸や購入・遺産相続など、さまざまな場面で関わってきます。その民法の中に、判断力が低下した認知症の人や知的障がいの人たちのための「成年後見制度」があります。しかし、実はこの制度が現在、十分に利用されているとはいえないのです。

意思や判断能力を奪い過ぎる制度

 「成年後見制度」は、判断力が低下した本人に代わって、親族や代理人(弁護士・司法書士・社会福祉士)が、施設に入居したり、福祉サービスを受けるための契約を結んだり、財産管理をしたりできる制度です。そのような代理権のほかに、本人が必要のない高額の買い物をした時に、キャンセルできる取消権も含まれています。しかし、過剰な保護は、逆差別にもつながりかねません。そのうえ、判断能力はそれぞれ違うのに、皆同じように自由意思を奪ってもいいのかという問題もあります。そんな「自分で何もできなくなるのでは」という恐れやイメージもあって、制度はあまり利用されていません。今後、認知症患者の増加が予想される日本においては、本人の能力とニーズに合った法律が求められているのです。

話し合いやオーダーメイドで権利を決める

 海外に目を向けると、柔軟で、本人が利用しやすい法律がいくつもあります。カナダのある州では、本人が決定者となる人と相談しながら契約を決められる「共同決定」制度が用意されています。またオーストリアでは、本人の状態に合わせて、必要な権利だけをオーダーメイドのように決められる制度も整えられています。このように、保護と自立のバランスを取りながら、自由意思を尊重することで、多くの人が最期まで充実した人生をおくれるはずです。


この学問が向いているかも 法学、比較法学

桐蔭横浜大学
法学部 法律学科 講師
青木 仁美 先生

メッセージ

 「民法」というと、高校ではほとんど勉強しませんし、あなたにとっては興味を持ちづらい分野かもしれません。でも、今は身近でなくても、必ず身近になってくるものです。社会に出た時に、仕事・結婚・住宅・育児・相続など、あらゆる場面で基礎になるもので、人生の最期まで深く関わってくる法律です。
 「こういうことがあれば、こういう結果が生じる」と生活を理論的に考えられる、これまでとは違う視点で人生を考えられるきっかけが民法にはあると思います。ぜひ大学での学びを楽しみにしていてください。

先生の学問へのきっかけ

 法学、その中でも民法は、自分の生活を理論的に見られる学問です。私は理論的に社会のルールを学びたいと思い、法学部に進みました。また、英語も好きだったので、外国のことを学びながら、日本の法と比較する研究に興味を持ちました。海外ではフランスやドイツの法律の歴史が古いですが、オーストリアの法律も歴史が古く、研究の蓄積がたくさんあります。現地に2年間留学をしましたが、「法学入門」の講義を受けたところ、日本で学んだ内容とほぼ同じだったので、日本が欧米に学んできたことを改めて実感しました。

大学アイコン
青木 仁美 先生がいらっしゃる
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 本学は1988年に(学)桐蔭学園によって初等、中等教育と並び立つ第2の柱として創設されました。本学の3学部6学科は、いずれも社会的貢献度や専門性の非常に高い分野であることが特徴です。すべての学部において、徹底した少人数教育にこだわり、また「実践型・体験型」のカリキュラムを編成しています。これにより密度が濃く質の高いゼミや講義を受けることができ、実践力が養われます。それぞれの目的や個性に合わせた様々な教育システムを確立しており、海外にも積極的に目を向け、学ぼうとする意欲をあらゆる角度から育みます。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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