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講義No.11333

国産木材を育てて使う サイクルの確立のために

持続可能な建築インテリア

 今、日本では、国産木材の活用を促進させることが急務となっています。それが、日本の林業を支えると同時に、環境への負荷が少ない持続可能な社会へとつながるからです。石油などの化石資源は使用するとCO2を発生させ、いずれは枯渇します。木材は植林によって、30年ほどで新しい森林資源を生み出すことができます。今は、こうした視点による建築分野の取り組みが重要です。国産木材を活用するインテリア商品開発からも、持続可能なサイクルを実現できます。

デザインから構造計算、生産までを実践

 商品開発は、メーカーや行政など多くの関係者と協働で行うと効果的です。まず、使う場所や人などのターゲットを想定し、打合せを重ねながら家具やインテリアの構想を考えます。デザインが決まったら3Dモデル化し、重量や形状、構造計算ソフトによる安全性の確認、転倒の危険性などを確認して図面を修正していきます。人間工学の視点からも検証して仕様を確定させ、最終的にメーカーで試作して不具合のチェックを行います。こうして、デザインから商品化までを行い、木材による家具やインテリアの可能性を探ります。

国産木材を活用して日本の森を守る

 近年、CLTという新たな材料が開発されました。これは、ひき板(ラミナ)を、繊維方向が直交するよう交互に接着した材料で、大きな荷重を負担できるなどの特性があり、高層ビルまで建築できる材料として今後ますます普及すると予想されています。現在、国産木材によるCLTを使った家具や内装の開発が行われています。しかし、軽くて軟らかい国産木材を家具に使用するには、使い方の工夫や金物の開発などが必要です。これらを研究開発することで、国産木材のさらなる活用が進められています。
 日本の森林は、林業の衰退によって荒廃しつつあります。国産の木材の使用を促進することで、木を切り、建築物やインテリアに使い、植樹して木を育てるという循環(サイクル)を確立させる必要があるのです。


この学問が向いているかも 建築デザイン学、環境学

広島工業大学
環境学部 建築デザイン学科 教授
森田 秀樹 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 これからのものづくりは、環境への配慮を考えないと生き残れないでしょう。木材を使うこと=森林の過剰伐採というのは、いろんな側面の一つしかとらえておらず、むしろ国産木材の商品を買うことが環境によい行動となります。日本の森林は伐採の時期を迎える一方、再造林の放棄地も見られます。国産木材が消費されれば、林業が活発になり、森林の再生ができます。
 また、自分の生まれ育った地域の歴史を知っておくとよいでしょう。木材は特に地産地消が重要になります。地域はどうなっているのかを知ることから、サステイナブルが始まります。

先生の学問へのきっかけ

 大学は機械系に進み、大学卒業後は研究機関へ就職しました。当時は、工業系の分野に木材の研究も含まれていて、偶然配属されたのが木材系でした。仕事で山間部に住む人や林業に携わる人に触れ、その現状を知りました。林業を活性化することや、山に経済的なお返しをするために少しでも力になりたいと思い、国産木材の材料開発を研究していました。現在はその次の段階となる、使用や消費の機会を広げることを目的に、大学で木材の商品開発や性能評価に関わる研究をしています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

家具会社 企画開発/住宅会社 設計

大学アイコン
森田 秀樹 先生がいらっしゃる
広島工業大学に関心を持ったら

 国公私立大 合同進学オンラインイベント「夢ナビライブ2021Web in Autumn」に、森田 秀樹 先生が参加! 先生の講義ライブ動画を10月12日(火)までオンデマンド配信するほか、Zoomで先生に直接質問ができる「講義ライブ質問対応・研究室訪問」を10月3日(日)に実施。夢ナビライブは、600名以上の大学教授や200近い大学がさまざまなプログラムを実施する大型オンラインイベントなので、まずは「夢ナビライブ」で検索してください。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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