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講義No.11290

アナログな自然現象をデジタルで表せる? 超離散方程式の可能性

自然現象を数式で表す

 自然現象を理解しようとする際、数式を使って記述することができると多くのメリットがあります。例えば波の波形の変化を調べるとき、微分方程式が利用されます。数式で表すことにより抽象的にはなりますが、その代わり実際に実験しようとすると長い時間や莫大なお金がかかってしまうようなことも、紙とペン(あるいはパソコン)を使って調べることができます。また、その現象の原因となる本質的な構造が何なのかを突き止めることができたりします。ソリトンと呼ばれるある特別な波の場合には、研究によってその特徴を抜き出すことで、数列などに代表される漸化式(離散方程式)を使っても表現できることが明らかになりました。現在では、離散方程式からさらに派生した超離散方程式でも同じように波の形状などを表現できています。

アナログをデジタルに変換する数式

 超離散方程式は、四則演算を別の演算に置き換えた方程式です。中学や高校で習う計算規則が当てはまらないこともあるため、解き方や方程式の構造が研究されています。超離散化方程式の特徴のひとつが、アナログな数値をデジタルな数値に変換できることです。例えば波の形状変化を表すグラフは一般的に、スムーズな曲線を描いています。これはアナログ時計のように連続的な量を表す実数値を使った表現です。一方で超離散方程式のグラフは台形のような角張った形になります。実数値だったものはすべて整数に置き換えられているため、連続するものを段階的に区切ってある時点での状態を視覚化することが可能です。

超離散方程式の可能性を追究

 超離散方程式は波の形状変化だけでなく、バスや電車の時刻表のもとになるダイヤグラムや、車の渋滞を表すモデルとも関連しています。しかし超離散方程式の解き方や四則演算の変換方法などにはまだ謎が多く残されており、研究が進められている最中です。


この学問が向いているかも 数学

東海大学
理学部 数学科 准教授
長井 秀友 先生

メッセージ

 問題の答えがわからないときはすぐ模範解答を見るのではなく、まずあなた自身の力でじっくり取り組む習慣をつけましょう。うまく解けないときは別の方法を試す、友だちや先生にアドバイスを求めるなど、トライアンドエラーを繰り返して答えを導いてみましょう。その経験は、あなたに問題を解く達成感や楽しさを教えてくれると思います。
 また、大学選びで人生のすべてが決まるわけではないので、専門にしたい分野以外にも興味を持って幅広く学んでほしいです。勉強やスポーツなど高校生活をしっかりと楽しんでから大学に来てください。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃から数学が好きで、明確なひとつの解がある点に魅力を感じていました。しかし大学で学ぶうちに、数学の世界にもまだまだ解の出ない問題や解き方のわからない問題があることを知ったのです。高校までの数学とのギャップを感じて一度は挫折しかけたものの、疑問を追究していくことは好きだったため、自ら決めたテーマに主体的に取り組める大学院での研究に楽しさを感じました。研究テーマは超離散方程式などの解構造が対象で、さまざまな方法を試してきれいに解が出たときの嬉しさや達成感が気に入っています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

教諭(中学校教員、高等学校教員)/地方公務員/情報通信業/運輸業

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長井 秀友 先生がいらっしゃる
東海大学に関心を持ったら

 東海大学は、全国のキャンパス(湘南・代々木・高輪・清水・伊勢原・熊本・阿蘇・札幌)に19学部75学科・専攻・課程を擁する総合大学です。「文理融合」の教育理念のもと、副専攻制度として、主専攻はもちろん主専攻以外の興味のある分野についても自由に学べるカリキュラムを用意しております。
 文系・理系の枠にとらわれない教育によって、柔軟な思考力とバランスのとれた総合力を身につけます。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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