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講義No.11286

受け継がれてきた「柔道整復師」の技術を徹底検証!

「手技」でさまざまな症状を治療する

 柔道整復は昔から日本国内で行われてきた伝統医学の1つです。柔道整復師は、日常生活やスポーツで起こる骨折や脱臼(だっきゅう)、捻挫などに対して、手術や投薬ではなく「手技(しゅぎ)療法」でアプローチします。柔道整復術は専門学校や大学でも学ぶことができますが、症状に対する細かなアプローチは個々の柔道整復師に任されている部分が大きく、教科書では詳しく紹介されていません。また、手技がなぜさまざまな症状に効くのかというメカニズムも完全に解明されているわけではないのです。

顎関節症の治療に効果的な手技は?

 わからないことも多い柔道整復術について、近年徐々に研究が進んできています。その対象の1つが、手技を使った顎(がく)関節症の治療です。顎関節症は、むし歯や歯周病にならぶ歯科疾患として広く知られた病気で、開口障害(口が大きく開けられない)、顎関節・咀嚼(そしゃく)筋の痛み、関節音などの症状が出ます。手技の1つ、皮膚上を深部に向けて押しつけながら移動していく「強擦(きょうさつ)法」は、組織のこわばりを取り除く効果があり、顎関節症による開口障害に効果的と考えられます。しかし、今まで柔道整復師が顎関節症にどんな手技を適応しているのかという報告はあまりされていませんでした。

体系的に柔道整復術を学ぶために

 そこで実際に、顎まわりの咀嚼筋の中でも最大の筋であり、最も触れやすい側頭筋に対して、強擦法を使った柔道整復術を行い、開口に与える影響の調査が行われました。術前と術後の最大開口距離を比較した結果、術後は患者さんの口が平均7mm程度開くようになり、側頭筋への強擦法が有効だとわかったのです。今後は強擦法以外の手技の効果や、側頭筋以外の筋肉への刺激の効果を確認していくことが計画されています。このようにさまざまな手技の研究が進めば、伝統的な柔道整復術がより体系的に習得できるようになり、普及につながっていくでしょう。


この学問が向いているかも 柔道整復学

明治国際医療大学
保健医療学部 柔道整復学科 助教
棚原 勝平 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 高校生はいろいろな意味で未熟な時期です。だからこそ自分の器を広げるために、多くの人と話したり遠くへ出かけたりして、多様性を学んでほしいと思います。そうすれば将来どんな道に進んでも、関わる人を受け入れられるようになるでしょう。
 柔道整復師の仕事をしていても、赤ちゃんからお年寄りまで、さまざまな症状がある患者さんと関わります。学ぶことが多く大変ですが、気持ちが伝わると「ありがとう」と言ってもらえる、やりがいがある仕事だと思います。興味があるなら、ぜひ一緒に学びましょう。

先生の学問へのきっかけ

 私は学生時代にサッカーをしていたので、よく鍼灸師の先生にお世話になっていました。その影響もあって鍼灸師となり、整形外科に勤務していましたが、より幅広い治療を行うために柔道整復師の資格も取ろうと思いました。資格取得後は整骨院で働くことになりましたが、整骨院に訪れる患者さんは年齢も症状も実に多種多様で、柔道整復の奥深さを実感しました。現在は、大学で伝統的な柔道整復の技、いわゆる「ゴッドハンド」について、科学的な側面から研究しています。

大学アイコン
棚原 勝平 先生がいらっしゃる
明治国際医療大学に関心を持ったら

 明治国際医療大学は、1983年に日本で初の4年制鍼灸大学「明治鍼灸大学」として開学しました。2008年に現在の名称へ改称し、看護学科、救急救命学科、柔道整復学科、鍼灸学科を有する保健医療分野の総合大学として発展してきました。 学内に附属病院と附属鍼灸センターを併設するほか、学外にも複数の実習環境を整備しています。これらのネットワークを活かし、臨床実習を重ねることで実践力や応用力を養い、人と向き合うことのできる「こころ豊かな医療人」を育成します。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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