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講義No.11283

パワー半導体の世界では、ダイヤモンドがアツい!

電力の変換に不可欠な半導体

 金属など電気をよく通す「導体」と、ゴムのようにほとんど通さない「絶縁体」の中間の性質を持つ物質や材料のことを「半導体」といいます。その半導体の中でも耐電圧度の高いものが、インバータやコンバータといった電力変換器「パワーデバイス」に用いられています。
 新幹線の進化もパワーデバイスが支えてきました。2020年7月にデビューしたN700S系の駆動システムには、シリコンカーバイド(SiC)と呼ばれる、ケイ素と炭素の1対1の結晶を用いたパワーデバイスが採用されています。これによりシステム全体の小型・軽量化が可能になったのです。

シリコンの次に来る素材とは

 従来、半導体の基板となる素材には、シリコンが用いられてきました。シリコンは地球上で酸素の次に多い元素であり、精製がしやすい点が重宝されたのです。ただしシリコンには薄いと電気的に壊れやすいという短所もあります。そのためシリコンに代わる素材の研究が盛んに行われています。一般的には透明なものほど耐電圧性が高いとされており、窒化アルミニウム(アルミナイトライド)などはその条件にピッタリとマッチします。しかしつくるのが難しく、まだ実用化には至っていません。むしろ少し透明度が劣る窒化ガリウム(ガリウムナイトライド)の方が、応用に向けた研究が進んでいます。

ダイヤモンドが世界を変える!

 その中で近年、話題になっているのがダイヤモンドです。ダイヤはガラスのように電気を通さないイメージですが、紫外線を当てると内部に電気が流れる状態ができます。シリコンよりも丈夫なうえ、電子の流れも速いという利点があります。ピュアな人工ダイヤをつくる技術が発達してきていることもあり、今後、ダイヤ内の電子の性質を詳しく調べ、基本データを収集することで、とても良い半導体の仲間になると期待されているのです。もしかすると将来的には、ダイヤを用いたパワーデバイスを充電部に持つ「電気飛行機」の時代が来るかもしれません。


この学問が向いているかも 材料工学、化学、物性物理学

和歌山大学
システム工学部 材料工学メジャー 准教授
秋元 郁子 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 材料科学や材料工学は、ものの仕組みが根本からわかる分野です。例えばスマートフォンは、機能面だけに着目すれば、「便利になった」で終わってしまいますが、その機能を実現させるセンサの仕組みやそのセンサを構成する材料の性質など、深部まで理解することで、世の中に新たなイノベーションが起こせると思います。それができるのがこの学問領域です。もし、あなたがこの分野に興味があるなら、高校では物理と化学をしっかり勉強してください。両科目の中間に位置するのが材料科学・工学です。

先生の学問へのきっかけ

 私は観察好きな子どもでした。高校生の時には化学に興味を持つようになり、夜中に台所で飽和溶液の濃度の実験をしたこともあるほどです。大学では化学を学ぼうと思っていましたが、入学後に、興味がある身の回りの化学現象の本質は、量子力学の世界だと気づいたのです。そして物性物理学の道を歩み、現在は光に対する物質の応答現象を研究しています。また教える立場の人間としては、常に探究心を持ち、正確な日本語で論理的に考えを伝えることのできる人材を育てたいと考えています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

電機メーカー/電子部品メーカー/半導体製造装置メーカー/絵具メーカー

大学アイコン
秋元 郁子 先生がいらっしゃる
和歌山大学に関心を持ったら

 和歌山大学は未来を託そうとする若者、保護者のみなさんの願いを受けとめ、若者とともに希望ある未来を創り出したいと決意しています。
 新たな学びの場・新たな生活の場へ、期待とともに不安もあると思いますが、国立大学の強みは、学生数に対して教員数が多く、学生と先生の"つながり"が強固なことです。なかでも和歌山大学は、小規模クラス授業や対話的授業を重視するなどきめ細やかな教育と、行き届いた学生生活支援の体制を整えています。そして、卒業後の進路・就職を拓くキャリア・サポートには定評があります。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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