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講義No.11268

子どもの「苦手」を改善するソーシャルスキルトレーニング

クラスで浮いてしまう子は「苦手」を抱えている?

 学校にうまく適応できず、悩んでいる子どもたちはたくさんいます。例えばうまくしゃべることができない、友だちとよくトラブルを起こす、けんかしても謝れないという子どもたちはクラスで浮いてしまいますが、なんらかの「苦手」を抱えているケースがほとんどです。そこに気づき、少しでも「苦手」の克服につなげるために、学校現場では「ソーシャルスキルトレーニング(SST)」が活用されています。

苦手を見つけ、助けるSST

 SSTとは「社会的スキル訓練」とも訳されますが、それぞれの「苦手」に応じたスキル向上を目的としたトレーニングのことです。学級崩壊しかけたクラスにスクールカウンセラーが赴き、ゲームなどを通したグループワークの際に取り入れることがメインになります。
 過去にはこんな事例があります。先生に強く反発する生徒がいるクラスで、SSTの一環としてペットボトルを取るゲームを行いました。ところがその生徒はゲームを破壊してしまいます。そこから「物理的距離感をつかむのが苦手で、それをごまかすために強がって壊している」ということにカウンセラーが気付きました。心を開いた本人と話すと、「苦手」の自覚を認め、そのことを担任と共有することで問題行動が減りました。このように、行動の背景にある一人ひとりの特徴を学校の先生や保護者が理解することで、解決へのいい循環につながるのです。

ますます高まるSSTの需要

 今、家庭内の介護や家事を担うヤングケアラーや、軽度のネグレクト、トラウマなどを抱えている子どもが増えています。そういった子どもは明るいけれどキレやすい、日によって浮き沈みがあるなどの傾向があります。このような子どもたちには第三者の助けが必要です。例えば考え方を変える、思考を止めるというトレーニングで楽になるケースもあります。コロナ禍でこうしたリスクを負う子ども達はかなり増えており、SSTの需要は益々高まってきています。


この学問が向いているかも 臨床心理学、学校心理学

福岡女学院大学
人間関係学部 心理学科 教授
斎藤 富由起 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 スクールカウンセラーに興味を持つ学生の中には、過去に不登校やいじめなど、つらい経験をした人もいます。人生の回り道をした人もいます。悩むことは悪いことではありません。臨床心理学を学ぶことで、悩んだ経験は生かされ、強みになります。
 臨床心理学が生かせる場所は、少年院、児童養護施設、精神科、児童相談所、スクールカウンセリングなど、現代社会の問題が凝縮されたような場所です。そうした現場で知識と経験を役立てられるのは、この学問の醍醐味(だいごみ)といえるでしょう。

先生の学問へのきっかけ

 当初は心理学に全く興味はなく、大学を卒業して建築会社に就職しました。将来は海外で空手の指導員になるつもりでした。転機はお世話になった先輩の死です。先輩は28歳で大学に入り直し、教員免許を取得して教育者を志していました。先輩は事件に巻き込まれ海外で亡くなったのです。夢が叶う直前の出来事でした。先輩の遺志を継ぎたいと考え、自分にできることを模索した結果、大学に入り直してスクールカウンセラーになろうと心に決め、臨床心理学の道に進みました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

スクールカウンセラー/教諭(小学校・特別支援学校)/病院カウンセラー/保育士

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斎藤 富由起 先生がいらっしゃる
福岡女学院大学に関心を持ったら

 国公私立大 合同進学オンラインイベント「夢ナビライブ2021Web in Autumn」に、斎藤 富由起 先生が参加! 先生の講義ライブ動画を10月31日(日)までオンデマンド配信するほか、Zoomで先生に直接質問ができる「講義ライブ質問対応・研究室訪問」を10月2日(土)に実施。夢ナビライブは、600名以上の大学教授や200近い大学がさまざまなプログラムを実施する大型オンラインイベントなので、まずは「夢ナビライブ」で検索してください。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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