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講義No.11244

「タッチ」には、心と身体を癒やす力がある!

養護教諭から子どもへのタッチの重要な意味

 近年の医療現場では、医療技術の発達などの影響で、医師が患者の体に触って診断する機会が徐々に減ってきました。しかし学校の保健室において、養護教諭が子どもへ「タッチする(触れる)」ことは、非常に大きな意味を持っています。1つはもちろん、ケガや病気の状態をチェックするためです。そしてもう1つ重要な意味は、タッチによって体の痛みを軽減させたり、精神的な安定をもたらしたりすることにあります。

体に触れると「幸せホルモン」が出る!

 タッチが心や体に与える影響については、さまざまな研究がされています。実際に体に手を当てたりさすったりすることで、皮膚の表面温度が上がったり、脳の血流が良くなったりするという研究結果が出ています。またタッチによって、幸せホルモンとも呼ばれる「オキシトシン」という物質が、脳内で分泌されることもわかっています。こうした研究をもとにスウェーデンの幼稚園では、先生が子どもにマッサージしたり、子ども同士でマッサージし合ったりする「タッチ教育」を実施しているところもあります。

「声かけ」や「会話」が子どもを癒やすカギに

 では、学校の保健室でも養護教諭が子どもにたくさんタッチをすればいいのかというと、必ずしもそうとは言い切れません。子どもたちの中には、触れられることに抵抗感がある子どももいます。そうした子どもにむやみにタッチするのは、かえってストレスを高めることになります。また中学生、高校生と成長するにしたがって、養護教諭と生徒の間に適切な距離感も必要になってきます。そこでカギとなってくるのが「声かけ」です。まずは子どもと話をして、「触ってもいい?」と確認してからタッチするようにします。ここでの心のこもった会話も、タッチと同様にオキシトシンを分泌させることがわかっています。養護教諭には子どもの様子をしっかり観察し寄り添いながら、コミュニケーションを図ることが求められるのです。

参考資料
1:養護教諭による児童生徒に行うタッチに関する研究
2:背中の中央に手のタッチに応答する脳活動

この学問が向いているかも 養護教育学、身体教育学

愛知学院大学
心身科学部 健康科学科(養護教諭コース) 教授
下村 淳子 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 養護教諭をしていると、いろいろな子どもたちが保健室にやってきます。中には、自分の人生からは想像もできないようなつらい経験をしている子どももいます。そういう子どもたちの気持ちを理解して寄り添えるように、今のうちからいろいろな経験を積んでほしいと思います。
 養護教諭は、子どもたちが一番困ったときに力になれる仕事です。優しさと強さ、どちらも必要ですが、とてもやりがいがある仕事だと思うので、興味があるなら、ぜひ一緒に学びましょう。

先生の学問へのきっかけ

 私は学生時代、陸上部で短距離走の選手をしていました。部活中にはよくケガをして、結果を残せず悔しい思いをしたこともあります。自分のようにケガをする人を減らしたいとの思いから養護教諭をめざしました。その後、高校の養護教諭になり、多くの生徒と関わってきましたが、生徒への接し方や保健指導は、データに基づいたものばかりではなく、慣例でやっていることも多いように感じました。そこで、もっと学校保健の方法を科学的に検証・分析したいと考え、大学院で研究することを決めました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

養護教諭/学校支援員/保育士/児童養護施設職員

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下村 淳子 先生がいらっしゃる
愛知学院大学に関心を持ったら

 国公私立大 合同進学オンラインイベント「夢ナビライブ2021Web in Autumn」に、下村 淳子 先生が参加! 先生の講義ライブ動画を10月12日(火)までオンデマンド配信するほか、Zoomで先生に直接質問ができる「講義ライブ質問対応・研究室訪問」を10月2日(土)・3日(日)に実施。夢ナビライブは、600名以上の大学教授や200近い大学がさまざまなプログラムを実施する大型オンラインイベントなので、まずは「夢ナビライブ」で検索してください。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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