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講義No.11226

生活習慣病予防への新たなアプローチ カギは「ナトカリ比」

食は健康の柱のひとつ

 QOL(Quality Of Life:生活の質)は、人間が生きるうえでの満足度を表す指標で、QOLを高めるには、身体的、精神的に健康でなければなりません。健康は、栄養、運動、休養がその三本柱であり、食べることは生きることであり、人間が生活するうえでの基盤になるだけでなく、食育の観点からも大切です。そのために栄養学の分野では健康、そしてQOLの向上に寄与するさまざまな研究が進められています。

和食文化における減塩の限界

 WHO(世界保健機関)は、世界中の人の食塩摂取目標を1日5グラムとしています。塩分の摂り過ぎで血圧が高い状態が続くと、血管や心臓に負担がかかり、脳卒中や心筋梗塞、心不全、動脈瘤(りゅう)など、多くの循環器病、生活習慣病につながったり、腎機能を低下させることも実証されています。昨今の日本では、食文化・食生活が大きく変わってきています。こうしたリスクを回避するのに減塩だけでは限界があるという知見のもと、摂取するナトリウムとカリウムの比率「ナトカリ比」を指標として、解決策を見出す研究が行われています。

疾病を予防するための新たなアプローチ

 この研究は、体内のナトリウム量に対しカリウム量の比率を高めることで、減塩と同じような効果をもたらし、腎機能低下や高血圧の防止につなげられるのではないか、という視点から始まりました。この研究がさらに進めば、生活習慣病の予防にあたって減塩とは違ったアプローチが可能となります。
 特に若い世代は、手軽で、満腹感があって、安価な食べ物を選んでしまいがちですが、そういった食べ物は脂質と塩分(ナトリウム)を多く含み、健康という観点からみるとマイナス面も多いです。一方、カリウムは野菜や果物に多く含まれる栄養素ですが、どうしても単価が高く、食べるのに調理などの手間がかかってしまうという側面があり、不足しがちです。今後はどうやってカリウムを摂取しやすくするか、データを社会に還元して必要性をアピールしていくか、という点が課題となっています。


この学問が向いているかも 栄養学

愛知学院大学
心身科学部 健康栄養学科 教授
服部 浩子 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 あなたが栄養について学びたいと考えているなら、食べることが好きであってほしいし、楽しんでほしいと思います。「今日の食事はどんなものからできているのか」「たまには自分で作ってみようか」など、どんなことでもいいので興味を持つことが、大学での学びにも役立つと思います。また、管理栄養士は人と関わる仕事なので、コミュニケーションも大切です。「この人の話を聞いてみたい」と思われるような人になる必要があります。家にこもって勉強するだけではなく、いろいろな人との関わりも大事にしてほしいです。

先生の学問へのきっかけ

 学生時代は数学が好きでしたが、一方で料理も好きで専業主婦になりたいという気持ちもあったので、料理のことを知っておいて損はないと管理栄養士を志しました。資格取得後、イエメンをはじめ海外で6年ほど生活した際、「日本がどれだけ自由で、やろうと思えば可能な国であるか」を痛感しました。これがきっかけとなり、自分が社会に貢献できることは何かと改めて考え、管理栄養士として地域を支えることだという結論に至りました。そこから、主婦兼フリーランスの管理栄養士を経て、現在の研究職に就きました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

コントラクトフードサービス(事業所給食)/病院栄養士/商品開発研究員/保育園栄養士/栄養教諭/スポーツ栄養士/公務員(保健所管理栄養士)

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服部 浩子 先生がいらっしゃる
愛知学院大学に関心を持ったら

 国公私立大 合同進学オンラインイベント「夢ナビライブ2021Web in Autumn」に、服部 浩子 先生が参加! 先生の講義ライブ動画を10月12日(火)までオンデマンド配信するほか、Zoomで先生に直接質問ができる「講義ライブ質問対応・研究室訪問」を10月2日(土)に実施。夢ナビライブは、600名以上の大学教授や200近い大学がさまざまなプログラムを実施する大型オンラインイベントなので、まずは「夢ナビライブ」で検索してください。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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