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講義No.11212

日本と海外の地域保健看護活動を研究して、保健師のより良い活動を探る

乳児から高齢者まで地域住民の健康を支える

 看護師と保健師の活動の違いを知っていますか。看護師は、主に病気になった人や、病院や自宅などで療養している人を看護します。それに対して保健師、特に自治体の保健師は、地域の乳児から高齢者までがより健康に過ごせるように、地域全体のことを考えながら、予防活動や健康の保持・増進を中心とした活動を展開しています。その活動は、訪問指導、健康診査や健康教育、健康相談などさまざまです。
 保健師として働くためには、看護師国家試験に合格していることが必要です。保健師が働く場所は、自治体が多いですが、事業所の健康管理室などもあります。

予防訪問で健康状態の悪化を防ぐ

 地域住民の健康を守るより良い方法を考えるためには、日本の先駆的な事例のみならず海外の保健看護活動についても研究して、良い部分を取り入れることが大切です。例えば、デンマークでは、75歳以上の住民を対象に年1回、地域の看護職者が自宅を訪れる「予防訪問」が法律で義務づけられています。定期的に高齢者の健康状態を確認することで、何らかの支援が必要な場合に、早めに保健医療福祉サービスにつなげられています。予防訪問を進めることが、自治体の救急医療にかかる費用の削減や高齢者のQOL(生活の質)の向上などにつながるという研究もおこなわれています。スウェーデンやフィンランドでも同様の取り組みが行われています。

地域全体が安心して暮らせる仕組みをつくる

 日本でも、デンマーク同様、保健師が地域に住む高齢者全員の自宅を訪問している自治体があります。健康に対する不安の軽減や、さまざまな保健福祉サービスを広めるきっかけにもなっています。また各地域での体操教室の実施など、保健師が積極的に介護予防に取り組むことが、高齢者が健康で自立した生活を維持するうえで重要です。保健師には、地域に住む1人ひとりの健康と生活の支援だけではなく、例えば高齢者や家族、地域の人たちも安心して暮らせるような仕組みづくりをするという役割もあるのです。


この学問が向いているかも 看護学、公衆衛生看護学

東北文化学園大学
医療福祉学部 看護学科 教授
佐々木 明子 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 あなたにはいろいろな可能性がありますから、まずは興味を持った分野に関して学びを深めてください。もし看護や地域の保健活動に関心があれば、ぜひ看護学を学び看護師や保健師をめざしてください。その時に「この分野は無理」「これはだめ」と決めつけずに、いろいろなことに取り組んでみてください。
 私の場合、海外の研究者や看護職の人たちと本格的に協働で研究をするようになったのは30代になってからです。今はできなくても、後々実を結ぶこともありますから、とにかくチャレンジしてください。

先生の学問へのきっかけ

 もともと人に対するケアに関心があり、地域で病気の予防や健康づくりなどをしたいと考えていました。大学は看護学部に進学し、大学院卒業後は自治体の保健師になりました。その後大学で教育・研究活動に取り組むようになりました。そして、海外の先駆的な事例の良い点を日本にも取り入れ、日本の強みを海外にも発信できればと、北欧などとの比較研究を始めました。保健師の活動は、公衆衛生看護学を基盤に、心理学や法学、社会学など関連領域の学問を統合して取り組む必要があります。やればやるほど奥が深いと感じています。

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佐々木 明子 先生がいらっしゃる
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 東北文化学園大学は、仙台・国見の丘にキャンパスを持ち、医療・福祉・社会・経済・工学・情報の幅広い学びができる総合大学です。「実学教育」を教育理念に掲げ、専門職業人を育成する大学です。2021年4月から新しい学部を設置し、学際的な教育環境がさらに充実します。また、「キャリアサポートセンター」の就職支援と相成って、例年高い就職率を誇り、卒業生は各業界で高い評価をいただいています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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