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講義No.11167

コンパクトシティに住民を呼び戻して高齢化を乗り切ろう

地方の公共交通機関の厳しい実態

 日本の地方にある公共交通機関は、いずれも厳しい経営状態に立たされています。鉄道やバスは赤字路線が多く、存続させることは厳しい状況です。とくに、離島やへき地は都市に比べて利用者も少ないため常に不採算の状態です。また、公共交通を支える空港をはじめとするインフラも利用者の有無にかかわらず維持しなければならないため莫大な費用がかかります。しかし、不採算だから、あるいは費用がかかるからといって住民の足となる公共交通機関を簡単に廃止することはできません。

地域住民が自主的に支える路線

 常に赤字で収益化が難しい公共交通機関やインフラを支える手段として、自治体からの補助金があります。しかし、今はどこの自治体も潤沢に予算があるわけではなく、補助金頼みの経営も厳しいものです。一方、地域住民が自分たちでお金を出して地域の公共交通機関を支えるというケースも増えつつあります。高齢化の進む日本にとって、公共交通機関は地域を支えるインフラであり、使う頻度は少なくてもその地域にとってなくてはならないものです。

広がりすぎた街をコンパクトに再設計

 厳しい経営状態にある地方の公共交通機関は今後、廃止となる路線が増加していくでしょう。しかし、地方では車移動が前提で中心地から離れた郊外に住む人が多くいるため、将来的には加齢にともない車の運転ができなくなった人や免許を返納した人たちの足の確保が必要とされています。そこで、解決策として有効なのがコンパクトシティへのシフトです。コンパクトシティの基本的な考え方は、街の中心部に鉄道やバスなどの交通ネットワークを充実させて、郊外への住民の流出を抑制することです。街の中心部に住民が集まれば、そこで経済活動が盛んになって街が発展し、より利便性の高い生活が可能になります。国内では富山市や宇都宮市がコンパクトシティの実践事例として知られています。広がりすぎた街をもう一度コンパクトに設計し直すことが今の地方都市に求められています。


この学問が向いているかも 交通経済学、土木計画学、都市計画学

高崎経済大学
地域政策学部 観光政策学科 准教授
小熊 仁 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 交通政策論とは主に交通について研究する学問ですが、経済学から社会福祉、場合によっては工学などの知識も求められます。一見、関係がないような学問とも密接につながってくるので、興味を持ったなら、高校時代から幅広い視野を持つよう心がけてください。
 学問横断的な分野でもあるので、なによりも基礎学力が大事です。ゼミでは基本文献の整理から、現地でのフィールドワーク、調査分析まで多くの作業を実際に行ってもらいます。今高校で勉強していることは大学で勉強する上での基礎となります。しっかりと身につけてください。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃から休みには家族旅行に出かけていたこともあり、飛行機や新幹線が大好きで、交通に大きな興味を持っていました。大学は商学部に進学して、交通について本格的な研究を始めたのは大学院に進んでからです。当時から地方の公共交通機関は経営が悪化していて、そんな地域の路線を存続させるにはどんな施策が必要なのかを考える毎日でした。一度は民間の研究所に就職して鉄道や航空を専門にリサーチしていましたが、今は研究範囲を広げ、大学でさまざまな研究を行っています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

運輸業(航空、鉄道、バス、海運、物流等)/旅行業(旅行代理店等)/自動車小売業(ディラー等)/官公庁(市町村職員、大学職員等)

大学アイコン
小熊 仁 先生がいらっしゃる
高崎経済大学に関心を持ったら

 高崎経済大学は、約3万人近くの卒業生が全国各地で企業のトップや地域で官民リーダーとして活躍しています。本学の教育・研究の目的は、幅広い教養を身につけ、豊かで、幅広い人間性に富み、国の内外と地域の向上発展に寄与する人材を育成することです。また、「自主・自立」を理念とし、学生の自主性を尊重するとともに、自立性を助長することを大学教育全体の方針としています。
 全員が少人数のゼミナールに所属します。ゼミナールでは専門知識の取得とともに、地域・社会活動などのフィールドワークが取り入れられています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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