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講義No.11151

電気がなくても作動する「リンク機構」によるリハビリ装置

高齢化が進む社会には欠かせない補助装置

 高齢化の進む日本において、高齢で足腰が弱った人の歩行や立ち上がりを補助する装置のニーズは増加することが予想されます。「リンク機構」という仕組みを使えば、モータやセンサなどを使わない簡易な構造で日常の動作をサポートする装置を作ることができます。リンク機構とは運動と動力を伝達する機械要素で、日本では昔からからくり人形などのギミック(仕掛け)として使われてきました。自動化された機械とは異なり、リンク機構は電気を一切使用しません。使用者の主体性を尊重する動作ができるので、筋肉の衰えの防止につながります。

あらゆる形で体の動きをサポート

 リンク機構を用いた装置は、直接脚に装着して歩行をサポートするタイプのものから、補助機構がついた装置に人間が座って立ち上がる動作を補助するタイプのものまで幅広い展開が可能です。また、固定型で歩く動作の訓練をするタイプもあります。これは、2本のポール(杖)を持って歩くノルディック・ウォークという競技のように、フレーム内のグリップをつかんで杖をつく動作をすると脚も連動して動く仕組みになっています。手を動かすと脚が前に出る設計になっているので、難しい説明なしに直感的に利用できます。

けがをした体の機能回復にも

 リンク機構の装置はけがをしたアスリートのリハビリ用としても使えます。ある装置では、利用者はサドルに座ってペダルのような機構を回すことで下半身のリハビリができます。けがをしたとき、無理に体を動かすと患部を悪化させてしまうリスクがありますが、この装置はサドルに座りながら脚を動かすので、下半身が体重を支える必要はなく、リスクを最小限に抑えることができます。腕に比べて脚は加齢により機能が衰えやすい部位なので、今後さらに高齢化が進む日本においては、脚のリハビリや補助は誰もが必要な、避けられない課題となります。電気がなくても手軽に使えるリハビリのための装置のニーズは今後も高まっていくでしょう。


この学問が向いているかも 機構学

山形大学
工学部 機械システム工学科 准教授
南後 淳 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 勉強でも部活でも趣味でも、何事にも熱中してほしいと思います。自分が夢中になって取り組めるものを見つけ、友達と過ごす高校生活を大事にしてください。10代で経験したことは、大人になったときの考え方や人格に影響を与えるものです。私も高校時代に身につけた考え方が、今の自分のベースにあると実感しています。
 社会に出るということは、誰かの役に立つ対価としてお金を得ることです。人の役に立ちたいという気持ちがあれば、専門的な勉強も主体的に取り組めるでしょう。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃からプラモデルや模型作りが大好きで、いろいろな工作に熱中した少年時代を送りました。それと同時に、サッカーや陸上競技が好きだった父親の影響でスポーツにも興味を持っていました。高校まではサッカーに打ち込んでいましたが、大学進学のためにやめてしまったことは今でも少し後悔しています。子どもの頃からものづくりが好きなこともあり、将来は自分の専門知識を使って身近な人に役立つ道具を作りたいと考えていました。大学でリンク機構の研究をはじめ、現在まで研究職としてキャリアを重ねています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

エンジニア

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南後 淳 先生がいらっしゃる
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 山形大学は、東日本有数の総合大学であり、4つのキャンパスはネットワークで融合されています。社会のリーダーにふさわしい基本能力と幅広い教養を身につけるため、教養教育に力を入れています。大学運営の基本方針として、一つは、何よりも学生を大切にして、学生が主役となる大学創りをするということ、そしてもう一つは、教育、特に教養教育を充実させるという2点を掲げています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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