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講義No.11126

その作業は「願望」か「義務」か?

1日に行う作業

 朝起きてから夜寝るまでに、高校生であれば勉強や部活動などのさまざまな「作業」をしています。健康であるための適切な作業バランスを考えるとき、単にそれぞれに割いた時間の配分を見るのではなく、作業に対する意味を考える必要があります。例えば、毎日する料理を「しなければいけない作業」と感じる人もいれば、「やりたくてしている作業」と感じる人もいます。

作業を仕分けする

 作業に対する意味を知るために、作業を「義務」「願望」「義務であり願望でもある」「義務でも願望でもない」に仕分ける方法があります。しなければいけない作業は「義務」、やりたくてしている作業は「願望」です。進学のための勉強は「義務であり願望でもある」かもしれません。健康に暮らしている人の1日に行っているいろいろな作業についての認識を聞き、回答を平均すると、「義務であり願望でもある」が約60%、「義務」と「願望」がそれぞれ約20%で、「義務でも願望でもない」はほとんどないとされています。
 一方、高齢者施設に入所している方の例では、「義務であり願望でもある」が59%、「義務」が18%、「願望」が0%、「義務でも願望でもない」が24%になりました。同時に、健康なときを100点とした生活の満足度を聞いたところ、10点という回答になりました。

心の健康と作業

 「義務でも願望でもない」作業が増えると、生活の満足度が低くなる傾向にあります。「義務でも願望でもない」作業とは何か挙げてもらうと、「テレビを観る」「ご飯を食べる」など、健康なときであれば「願望」になりそうなものもありました。その後、作業療法などのリハビリテーションによって自分で少しずつ動けるようになると、1日のスケジュールは同じにもかかわらず、「義務でも願望でもない」が減少して「願望」が増加し、生活満足度も増加するようになりました。心の健康を保つには、作業の内容や時間だけでなく、そのひとにとって意味のある作業を生活の中に多く取り入れ、意識を向上させることが大切なのです。


この学問が向いているかも 作業療法学

東北文化学園大学
医療福祉学部 リハビリテーション学科 作業療法学専攻 教授
髙木 大輔 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 作業療法は、身体的な原因や心理的な原因で日常生活に支障が出た場合に、作業をうまく応用して改善をめざします。さまざまな原因や背景を持った人たちに作業療法を行う場合には、多様な健康観や価値観を認めるという柔軟な考え方を持つことが必要です。また、作業療法には自分の趣味や特技を生かすこともできます。楽器が得意だった卒業生は、音楽の持つ特性を生かして作業療法を行っています。人と接するのが好きで、いろいろなことに興味があり、自分の好きなことを生かしたいと思うなら、ぜひ作業療法士をめざしてください。

先生の学問へのきっかけ

 私の実家は病院の給食部門などに納品をする魚屋です。小さな頃は配達について行き、そこにいる人たちと間接的に接していましたので、医療の世界は比較的なじみがあるものでした。高校生になり医療の仕事に憧れを抱くようになります。調べると、医療にはたくさんの職種があるのですが、その中でもリハビリテーションの仕事に興味を持ちました。特に、作業療法士は日常生活の動作や作業を通じてリハビリテーションを行うため、人でなければできない仕事です。現在は、日常作業のバランスが健康にどう影響するかについて研究しています。

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髙木 大輔 先生がいらっしゃる
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 東北文化学園大学は、仙台・国見の丘にキャンパスを持ち、医療・福祉・社会・経済・工学・情報の幅広い学びができる総合大学です。「実学教育」を教育理念に掲げ、専門職業人を育成する大学です。2021年4月から新しい学部を設置し、学際的な教育環境がさらに充実します。また、「キャリアサポートセンター」の就職支援と相成って、例年高い就職率を誇り、卒業生は各業界で高い評価をいただいています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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