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講義No.11102

アメリカは、国内で起こる分断によって衰退する?

かつては「強い」イメージだったアメリカ

 アメリカといえば、経済的にも軍事的にも強い超大国、そんなイメージかもしれません。しかし、現在のアメリカは衰退しつつあるといわれています。その大きな理由の1つとして、アメリカ社会の分断という問題が挙げられます。アメリカにはリベラルな「民主党」と保守的な「共和党」という2つの大きな政党があります。かつては2つの政党のあいだで共通する考え方も多かったのですが、最近はお互いの政治的理念が分極化し、相容れない状態になっています。

民主党と共和党、支持者の考え方の違い

 それぞれの政党の支持層も大きく2つに分かれています。民主党支持者の多くは少数派の権利擁護の立場から、アフリカ系アメリカ人やLGBTなどへの差別に反対しています。一方で共和党支持者には白人の低所得層も多いため、「Black Lives Matter」などの人種差別抗議運動によって少数派の立場が強くなり、自分たちの立場がおびやかされるのを懸念する人もいます。
 また新型コロナ対策について見れば、民主党支持者はマスク着用やワクチン接種に積極的でしたが、共和党支持者は個人の自由を重視するため、政府による強制を好みません。なかにはマスク着用を強制されることを極端に嫌って、デモや暴動を起こす人たちさえいたほどです。

アメリカは復活するのか?

 こうした考え方の違いによる対立がアメリカの衰退に拍車をかけているといわれます。実は現在と似たような状況が1960年代から70年代のベトナム戦争の時期にもありました。アメリカは多くの人命を失い、経済的損失を被っただけでなく、ベトナム戦争をめぐり社会は分裂し、国としてのアイデンティティもゆらぎました。そのまま力を失っていくかと思われましたが、冷戦の終結とソ連の崩壊により唯一の超大国としてよみがえりました。今後アメリカが衰えていくのか、力を取り戻すのかはまだわかりません。どちらにしても、世界に与える影響は大きく、これからもアメリカの動きを注視していく必要があるでしょう。


この学問が向いているかも 国際政治学

二松学舎大学
国際経済学部 国際政治経済学科 准教授
手賀 裕輔 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 学問のおもしろさは、自分が「当たり前」と思っていることが、時代や地域が違えば実はまったく当たり前ではないと気づくことにあります。また、なぜ時代や地域によって人はまったく違う行動や考え方をするのか、その理由を知るとさらにおもしろくなってきます。
 ただし、こうしたおもしろさに気づくためには、まず前提となる知識を身につけ、考え方の訓練をする必要があります。ですから高校生のうちに、しっかりと勉強して基礎的な知識を身につけてほしいと思います。

先生の学問へのきっかけ

 私が将来の進路として研究者を意識したのは高校生のときです。高校時代に通っていた予備校では大学の先生や大学院生が授業を担当しており、授業の合間に自分の研究内容を楽しそうに話してくれました。その話を聞くまで、受験勉強は暗記が多くて無味乾燥だと感じていましたが、基礎的な勉強の向こうにはおもしろい学問の世界が広がっていると気づき、研究者という職業に関心を持ちました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

教諭(中学校)/金融機関/自衛隊/地方自治体/不動産/食品メーカー

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手賀 裕輔 先生がいらっしゃる
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 二松学舎大学は1877年、漢学者である三島中洲によって創設されました。漢学を通じて東洋の精神文化を学び日本人としてのアイデンティティを確立した、知的、道徳的な社会を支えるに足る人材の育成を目指しています。
 日本の伝統的なよさを認識しつつ、グローバルな視点で理解し、世界に向けて発信できる人材の育成に力を注いでいます。
 キャンパスは都心の真ん中にある九段キャンパスと千葉県柏市にある2つのキャンパスがあり、現在では入学から卒業までの4年間を九段キャンパスで過ごすことができます。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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